主催:
NaturFreunde Berlin
Green Planet Energy
Sayonara Nukes Berlin
共催:
AK Rote Beete (Linke Regionalgruppe)
AntiAtom Berlin
BürgerInitiative Lüchow-Dannenberg
BUND
BUND Jugend Berlin
Friedensglocken
Greenpeace Berlin
IPPNW Germany
Japanese Against Nuclear UK
Korea Verband
Rote Beete
Strahlentelex
次にはFridays for FutureのJohannaがとてもエネルギッシュではっきりしたメッセージを話してくれた。彼女がフクシマ事故が起きた時12歳だったと聞いて、唸ってしまったが、そうだ、フクシマでも事故当時子どもだった人たちで甲状腺がんに罹った人たちが成人して、原発事故と甲状腺がんとの因果関係を究明して責任を追及するため、東電を相手に集団訴訟を起こしてもいるのである。当時10歳だった子どもは、今年はもう21歳だ。この件については今年の武藤類子さんのメッセージにも書かれているが、アレックス・ローゼンも演説で話していたように、がんと原発事故もしくは被ばくとの因果関係を追求するには、独立して信頼できる調査が少なすぎるだけでなく、公害訴訟などで健康被害と事故や公害の因果関係を追求した経験のある弁護士がいないことを心配する向きもある。また東電だけで、国を訴えていないことも問題である。この件については5月半ばに予定しているおしどりマコ&ケンさんとの講演会で、彼らにも詳しく語ってもらうつもりだ。(Johannaの演説の和訳はこちら:FridaysforFutureBerlin_JohannaBuchmann.jp)
予定していた演説者はこれだけだったが、飛び入りの演説者が入った。ゴアレーベンの市民グループの人で、ICANなどと一緒に始めた運動「Don’t nuke the climate」のキャンペーンでベルリンを訪れたGüntherが話をした。彼は去年11月にグラスゴーで行われた気候変動枠組条約締約国会議でも、堂々と原子力ロビーが赤いじゅうたんを敷いた晴れの舞台を与えられ、いかに原子力が気候変動の対策として重要か、持続可能でクリーンかを述べ、EUのタクソノミーに入れることを歓迎するような話をしたことで、肝心の会議が悪用された話をしていた。彼らはあらゆる独立した機関の気候や地球の状態に関する報告分析にもかかわらず、いまだに原子力が持続可能な経済的発展に必要なテクノロジーかなどということを語っていると嘆いた。また、いわゆる先進工業国が気候危機を打開していくためにまずは最低1000億ユーロを出し合うのが必要と言いながらも、なかなかその額が揃わないでいる中、ショルツ首相は簡単に1000億ユーロを連邦軍に出すと決めてしまった。このことはよく覚えておく必要がある。
今年のデモは一年経ってもまだ終わりの見えないコロナ禍ロックダウンの続く中行われ、演説のため遠くから来る予定だった二人がベルリン訪問をあきらめたこともあり、あまり動員数が期待できない状況ではあったものの、十周年という区切りのデモはそれでもやろうという共催団体との気持ちは固く実行に臨んだ。配布するかざぐるまの数もそれで思い切り少なくしたが、およそ250人が集まり、雰囲気はとてもよかった。新型コロナの規制の影響により、Greenpeaceのドラム隊は今年は来られなかったがドラムを持ってきてくれた人もいたし、Friday for
futureでいつも音楽を流しているという、自転車にスピーカーを載せて反原発や環境問題をテーマにしたラップを流す人も来て雰囲気を出してくれた。しかもNaturFreundeのUweまでがシュプレヒコールの余興をしたりして、気持ちよくUnter den Lindenを練り歩くことができた。私はロッコとデモの先頭に立って今年のデモのモットーを掲げた横断幕を持って歩いた。今年、十周年のためにつくった大型かざぐるまも大きさも色も灰色の町の中で目立ち、風にくるくると回っていたのが嬉しかった。
デモ隊はUnter den LindenからGendarmenmarktの方に折れ、Französische Straßeの地下鉄の入り口の横を通ってまたUnter den Lindenに戻りブランデンブルク門前に帰った。観光客の少ないコロナ禍だが、それでも通り過ぎる人たちは皆携帯を向けて写真を撮ったり、楽しそうに見物していた。時々風が強くて、横断幕をピンと張ってしっかり持っているのが大変だった。
次に緑の党のSylvia Kotting-Uhl氏が演説予定だったが、キャンセルとなったため、IPPNWのドイツ支部代表Alex Rosen氏が医者の立場から話をしてくれた。彼は原稿を持たずに演説したので私の記憶だけで心に留まったことを書き留めたい。チェルノブイリではソ連はあらゆる過ちを犯したのは確かだが、それでもただ一つこのことは彼らも認めて実行した。つまり、放射線被害の高いところは、除染などはできないため、そこには住民はこれからそこに住まわせることは何百年先までできない、ということである。そこでソ連は、線量の高い場所の住民を別の場所に避難させた。日本は、そのことを認めようとしない。除染ということが可能であるということにして、多大な費用をエネルギーと時間をつぎ込んで、除染を行ってきた。そもそもはそこが問題である。山や森などは除染は不可能だし、土をそぎ取ってもその土をどこに隔離して保管するかということもしっかり行われていない。「除染」しても、一度雨が降ったり風が吹けば、山や森からすぐに放射能が吹き飛んでくるので、無意味だ。ことに、聖火リレーをJヴィレッジで始めたいためもあり、双葉の一部で今避難解除が行われたが、ここではGreenpeaceが線量の高いホットスポットをたくさん見つけており、それを指摘してまた除染しても、1メートル離れたところでは高い線量がまた見つかる、というもぐら叩きのような感じである。そういう場所に子どもたちを応援に連れていく、または若い選手を連れてきてリレーさせる、ということが非常に問題である。それから、ゆうの演説で一つだけ反論したいのは、FUKUSHIMA is under controlと安倍首相が言ったのは、彼の目からすれば「フクシマは政府を含めた原子力村によって見事に制御、抑制されている」という意味においては正しい、ということだ。彼らは今でもうまく「コントロール」している。それを変えていかなければならない、というようなことをAlex Rosenは明快に話してくれた。
Morgen jährt sich wieder einmal die Reaktorkatastrophe von #Fukushima. Die Regierung in Tokio darf nicht zur Tagesordnung übergehen, sondern muss die Energiewende in #Japan vorantreiben. @greenpeace_nrg war deshalb mit auf der Protest-Demo am Wochenende in Berlin. @NoNukesBerlinpic.twitter.com/tF5YA6o3Eu
— Green Planet Energy eG (@GreenPlanet_nrg) March 10, 2020
今回のデモのテーマとして、行き場所のない「放射性廃棄物」問題とIPPNWでも反対キャンペーンを始めた「東京オリンピック」について取り上げる提案をSNBでは最初していたが、最終的にオリンピック問題をデモで取り上げるのは(反対ばかり、マイナス面ばかりを強調するデモはなるべくやめたいとの意見もあり)やめ、ドイツひいては世界中で変わらず未解決の大問題である廃棄物問題に集中することにした。SNBで叩き台として作った呼び掛け文に対しNaturFreundeとAnti Atom Berlinから訂正や補足があり、呼び掛け文が出来上がった。
天気が心配されたが当日風は強かったものの雨にはならず幸いだった。しかし今年からベルリンでは3月8日の国際婦人デーが祭日となり、それが金曜だったため長い週末となってベルリンを留守にした人も多かったこと、前日の国際婦人デーのデモの動員数がすでに大きく、その翌日にまたフクシマ8周年というテーマで市民を動員するのは難しかった、またはほかのテーマ(例えば学校の生徒、学生が中心になってやっているFridays for Futureを始め、脱石炭など)の方が環境問題としては中心を占め、「脱原発」を一応決定したドイツでは原子力・核のテーマの重要性が意識から薄れてきていることなどから、最近の傾向ではあるがそれに輪をかけるようにデモ参加者は少なかった。8年も経つと意識は薄れ、「フクシマ原発事故」で人を動員するのは難しいことがよく分かった。一部の在独団体からは、これからデモは10周年、15周年と5年ごとに行うのがいいのではないかという意見もすでに出されている。これについては私たちも考えていかざるを得ないだろう。
というわけで大目に見て300名ほどだったが、それでも恒例の黄色いかざぐるまが強い風にくるくる回ってブランデンブルク門を飾り、まずThe Japsの音楽を合図にスタートした。NaturFreundeのUweが挨拶したのち、SNBを代表して私がフクシマの現状を簡単に伝える演説をした。その後BUND(ドイツ環境自然保護同盟)の代表Hubert Weigerがデモ呼び掛け文で私たちが訴えているように、脱原発を決定しながらもまだ実際の実現はできていない事実を挙げ、ウラン濃縮や核燃料製造からも一切手を引くことをドイツ政府に要求した。それからICANのLukas Breunigは、核兵器廃絶に対する彼らの運動と目標に関して話をした。デモ隊が出発してウンターデンリンデンを出てまたブランデンブルク門に戻ってからBürgerinitiative Lüchow-Dannenberg (ゴアレーベンの市民団体)代表のMartin Donat(2016年にも彼はパネルディスカッションとデモ演説に二度も来てくれた)がまだ最終処分場候補リストから外されないままいくつもの危険なキャスクを抱えているゴアレーベンでの現状について、Anti-Atom-Bündnis Berlin PotsdamのStephan Worseckが、今年末に予定されているヴァンゼーそば(Helmholtz Zentrum Berlin)の研究用原子炉BER II 廃炉計画について、そして最後にお馴染みのGreenpeace Energyの広報担当Christoph Raschがヨーロッパにおける原発をめぐる状況について話した。
共催:
BUND
IPPNW
Rote Beete
ICAN
Coop AntiWar Cafe
Kuhle Wampe
BürgerInitiative Lüchow-Dannenberg
Friedensglockengesellschaft Berlin e.V.
Ausländer mit uns
Die Linke Landesverband Berlin
デモは、13時に集合ということだったが、演説者の一人、ドイツ最大規模の反原発団体Ausgestrahltの代表Jochen Stayの到着が遅れ、さらに彼のインタビューが終わるのを待っていたため、開始が遅れた。警察からもクレームがついたせいか、進行関係者は苛立つことになった。カズマ率いるMad World Danceの核の鎖をテーマにしたパフォーマンスはインパクトが大きかったが、いつもと同じように、前に陣取っていないと見えない、時間が長かった、パフォーマンスが終わっても挨拶などが長かったために演説にすぐ移れなかった、演説が始まってみると、今度は一人5分という制約はほとんどの人が忘れて長々と話す人が多かったなどから、さらに出発が遅れた。
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