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フクシマ原発事故14周年を機に寄せられたフクシマ出身の女性二人のメッセージ

2025年 世界の皆さまへ

揺れ動く世界の情勢に、困惑するばかりの2025年の始まりですが、世界中で脱原発を目指して頑張っておられる皆さまに、心より感謝いたします。

私は、昨年夏に、帰還困難区域に入る機会がありました。過酷な避難の途中で50人以上の患者さんが亡くなった病院は、鬱蒼と繁った樹木と草に覆われていました。老人ホームには、ベッドや紙おむつ、薬、書類などが散乱し、大慌てで避難をしていったそのままの様子が見て取れました。3月11日の食事の献立がホワイトボードに書き残されていました。小学校では小さな木の机の一つ一つに、辞書が置かれていました。ランドセルも靴も絵の具の筆を洗うバケツも、倒れた自転車もヘルメットも、みな置き去りにされたままでした。物音はなく蝉の声だけがあたりを包んでいました。13年前には確かにここには人の暮らしがありました。でも、今は誰もいません。今もそんな場所が存在します。

避難解除された場所に、戻ってくる方々は極少数です。放置せざるを得ない住宅は次々に解体されています。江戸時代に建てられた文化財のような門や蔵などが、解体されているのを見ました。そのすぐそばには災害復興住宅があり、県外からの移住者の子どもたちも住んでいます。住民の方によると、家の中でも事故前の5~10倍の0.3μSv/hだそうです。住宅のフェンスの向こう側は帰還困難区域です。このような住環境は、決して安全とは言えません。

 一方、日本の第7次エネルギー基本計画案では、「原発依存度を減らす」という文言を削除し、原発回帰が色濃く見えています。今も終わらない福島原発事故を経験し、そして昨年の能登半島地震で、もし原発事故が起きたら避難も自宅待機もできないことが明らかになり、それでも尚、原子力をエネルギーとして選択する愚かさが、私には理解できません。

不十分な賠償と責任追及のために沢山の被害者が起こしている裁判は、2022年に最高裁が国の責任を認めない判決を出しました。その後、その最高裁判所判事と東電の癒着がジャーナリストによって明らかになっています。日本の司法はかなり危機的な状況にあります。最高裁判例がその後の下級審の判決に踏襲されるなど、原発事故被害者による裁判は厳しい状況に置かれています

0.7グラムの核燃料デブリの取り出しが成功したと報道されていますが、何度も失敗があり、むしろ高線量の放射能の下での作業の過酷さと、テレスコープ型のデブリ取り出し装置の組み立て作業に東電社員が立ち会い確認をしなかったなど、東電の作業管理の杜撰さを露呈しました。誰もが2051年の廃炉の実現などありえないことを感じているにも関わらず、放射能の減衰期間を置くなどの廃炉のロードマップの見直しはされません。

汚染水を海洋投棄することに強引に着手した東電と国は、次は「復興再生利用」と謳った汚染土の拡散を本格的に推し進めようとしています。特に若い人々に向けて放射能の安全神話と、政府が認めた「科学的」が正しいものだと刷り込むための宣伝事業を繰り広げています。

誰もいなくなった海岸線の土地に、「復興」の掛け声とともに、被害者に本当に必要なものなのかも分からない最先端技術の企業や研究所が、多額の復興予算を使い林立しています。

原発事故とは、暮らしも、故郷も、人権も踏みにじるものです。事故から14年の現状を目にすると、福島はどうなっていくのだろうと途方に暮れるばかりです。

でも、冬の寒さが過ぎ、春の兆しがそこまで来ています。こんな時代だからこそ、心にきれいなものを沢山詰め込み、真実を見抜く涼やかな目を持ちたいです。そして今日も脱原発を粘り強く闘う仲間が世界にはたくさんいることを心強く思いながら、私もできることを続けていきたいと思います。

武藤類子

福島原発告訴団(刑事裁判)代表

ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)代表

このメッセージは5か国語(フランス語、ドイツ語、イタリア語、ルーマニア語)に翻訳され、『よそものネット』のウェブサイトに掲載されています。武藤類子さんからのメッセージ(6カ国語) – yosomono-net

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東電福島原子力惨禍における放射線被ばく被害を避けるため、国内避難を続けている森松明希子と申します。


2011 年3月11日に発生した大震災及びそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故から14 年が経過しました。しかし事故は収束からはほど遠く、世界につながる海、空気、陸地を汚染し続けています。
事故を起こした原子力発電所が「アンダー・コントロール」とは言い難く、この国のリーダーが、誰一人として、その事実を認めていないことに対して憤りを覚えます。14 年経った今なお、放射線被ばくを避けて多くの人々が汚染地から避難を続けている現状があります。政府(復興庁)に登録した避難者数は、分かっているだけでおよそ2万
9,000 人、全国47都道府県全てに今なお存在し(2024 年12 月6日復興庁『全国の避難者数』)、政府の保護や救済を切望し続けています。しかし、発災直後から正確な避難者数が日本政府によって把握されたことは一度もなく、実際には、これより多くの人々が避難を余儀なくされていますが、救済されることはなく苦難の中に今もあります。また、現状を把握しようとしない政府からの支援や保護の措置がないため、したくても避難できない人々が多数存在しています。

私には2人の子どもがいます。震災当時、5ヶ月の赤ん坊と3歳の幼児でした。この14年間、私の夫(子どもたちの父親)は福島県郡山市に、私と子どもたちは大阪市に、離ればなれに住んでいます。このように、強制避難区域に指定されなかった汚染地域に住む人々は、被ばくに脆弱な子どもを守るため、母子だけで線源(汚染地)から離れるという苦肉の策を余儀なくされ、今現在も、多数の母子避難をはじめとする自力避難者が存在しています。


避難できた人も、そうでない人も、東電福島第一原子力発電所事故に由来する放射能汚染から身を守る必要があります。そして、「避難すること」は被ばくから免れ健康を享受するための人として当然の行為です。しかし、日本では、避難者は差別され、いじめの対象になり、「風評加害者」などとレッテルを貼られ、言論の自由まで奪われるという二次被害まで受け続けるという人権侵害の惨状があります。

原子力を推進し、核を手放さないということは、一次的には、望まない被ばくを余儀なくされることであり、二次被害としては、安全な場所に避難するという自らの身を守る権利も剥奪され、さらにそのことに対して抗議するための言論の自由という民主主義の根幹をなす権利をも奪われるということに他なりません。


また、この問題は、福島の人々だけの問題ではないということを強く訴えたいです。核被害の脅威にさらされた時、あなたは被ばくを強いる側に立つのか、それとも被ばくから人々の命と健康を守る側に立つのか、という問いを世界の皆様と共有したいです。

国策で、原子力発電が進められれば、逃げることは簡単に許されず、日本と同じように、原子力を肯定するために、核との共存が可能であると、国は喧伝するでしょう。それは欺瞞でしかありません。

2025 年は、第2次世界大戦終了から80年を迎えます。昨年は、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、ヒバクシャが世界の舞台でスピーチしたことで「被ばく」に関しても注目されています。今こそ、世界の核被害を訴える人々とつながって、放射線被ばくから免れ命を守る行為が原則であり、それを世界で普遍的な共通認識にすべきと考えます。この普遍的な権利の確立のために福島核災被害者である私もともに声を上げ、闘い続けようと決意も新たにしています。世界中の皆さま、ともに声を上げ続けていきましょう。

2025 年 3月11日

森松明希子
原発賠償関西訴訟原告団代表
原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表

福島原発事故14周年・かざぐるまデモ:今こそノーモア! 2025年3月9 日、ベルリン・ブランデンブルク門12時から)

2024年には日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、核兵器使用の恐ろしさと核廃絶を訴えてきた彼らの不断の努力が称えられました。日本被団協は原爆被害者の体験を通じ、核兵器が人類に何をもたらしたか、何世代にもわたってどんな被害をもたらし得るか、語り続けてきました。

2025年で世界初の原爆がヒロシマとナガサキに投下されてから80周年を迎えます。しかし冷戦時代以来核兵器戦争の危険が今ほど高まったことはありません。2021年に核兵器禁止条約が発効したものの、ドイツと日本は参加していません。

ここで鍵となるのが「被ばく者」という言葉です。被ばく者というのは、よく解釈されているように単に原爆の被害者を指すわけではありません。被ばく者は、無駄に放射線被ばくを余儀なくされた人のことをいいます。ですから被ばく者はヒロシマ・ナガサキ後だけではなく、チェルノブイリやフクシマ後も、世界中の数々の核実験後にもできましたし、現在も原発労働者やウラン鉱山労働者が日々、被ばく者となっています。ウクライナでは、原発が攻撃の対象となることも私たちは見てきています。原因が核兵器であれ、放射性物質を大量に含む副産物を生む原子力エネルギーであれ、放射線は、例え低線量であっても何世代にもわたって人間にとっても生態にとっても夥しい被害をもたらします。それなのに核保有国は世界各地で核武装を推進しています。9つの核保有国 ‐ 米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮とイスラエル ‐ が核保有数と核戦力の近代化を進めています。これが続くことを許すわけにはいきません。

今こそノーモア!  もう二度と繰り返すことを許してはなりません。世界のどこでもこれ以上の被ばく者を作り出してはなりません!ノーモア・ヒバクシャ!

ですから一緒に求めましょう:

  • ドイツと日本は「核兵器禁止条約」に加盟せよ! 核武装を許すな!
  • EURATOM欧州原子力共同体協定の解約
  • 無責任な原子力エネルギーから世界規模で即刻撤退せよ
  • リンゲンとグローナウの核施設の即刻停止
  • 原子力エネルギーを持続可能エネルギーと分類するEUタクソノミーからの削除
  • フクシマであろうと世界のどこであろうと、放射能汚染水海洋放出は停止せよ

http://kazagurumademo.de/index_j.html

ドイツ- 核のゴミをめぐる抵抗の歴史と現状@zoom茶話会のご案内

脱原発は達成したけれど、まだまだ未解決の問題に溢れているドイツ。SNBメンバーの梶川ゆうがドイツの核のゴミ処分場問題について、現場を視察した情報を交えながらお話します。ぜひご参加ください。 

日時:2024年10月27日(日)19:00~21:00(+交流会)
会場:Zoom
主催:さよなら原発神戸アクション 
参加費:無料(カンパ歓迎)
申し込み:要(下記リンクをご利用ください。)

■お申し込みはこちらから↓(申し込み締め切りは、10月25日です)
https://docs.google.com/…/1FAIpQLSdSZHgblsVU6L…/viewform 

梶川ゆうのプロフィール:
フリー翻訳家、在独37年。ベルリンの日本人反原発グループSayonara Nukes Berlinを中心に活動。

ゆうからのメッセージ:
日本から9千キロも離れたドイツはフクシマ原発事故後「脱原発」を決定し、ついに去年2023年4月に達成されました。しかし、高レベル放射性廃棄物の最終処分場サイトはまだ見つかっておらず、中・低レベル放射性廃棄物の方は処分場建設がすでに始まっているものの、問題は山積みで、予定通り運転開始できそうにありません。条件を満たす最終処分場が完成し、運転開始するまでは、高レベルも中・低レベルも、廃棄物はしっかり遮蔽した状態で中間貯蔵施設に保管しなければなりませんが、最終処分場がいつまでもできないため、耐用年数が数十年しかない中間貯蔵施設に、しかも輸送と短期保管用にしか作られていない容器に入れられたまま、半永久的に保管される可能性があります。このように核の負の遺産をめぐって、市民運動が全国各地で続けられています。
中でも、長い間高レベル放射性廃棄物の最終処分場サイトに指定されながらもずっと抵抗運動を続け、とうとうサイト候補から取り外させることに成功したゴアレーベンの市民運動は、あらゆる市民運動のあり方に大きな影響を与えました。そのゴアレーベンの抵抗運動の話と、その他の核のゴミの処分場をめぐる問題と現状について、報告します。

■お申し込み後、フォームへ記載されたメールアドレスに自動返信機能で返信がいきます。
スマホのメールには自動返信のメールが送信されない場合がありますが、前日までに、ZOOMのアドレス、ID、パスコードをお知らせしますので、その案内が未着の場合は、下記のメールアドレスにメールください。
お問い合わせ:nonukekobe311★gmail.com
(上記のメールアドレスの★の部分は@に変えてください)

■タイムテーブル予定■
18:50 入室開始
19:00 はじめのあいさつ
19:10~20:30 梶川ゆうさんのお話 
20:30~20:35 休憩 
20:35~20:55 Q&A 
20:55~21:00 おわりのあいさつ
21時以降交流会を予定しています。

【カンパ歓迎】振込口座 郵便振替 00900-8-110030 神戸ネットワーク
※通信欄に<カンパ>と書いてください。

おしどりマコ&ケンZoom講演会 私たちが知っておくべきフクシマの見えにくい事実

 

 

 

 

 

フクシマ原発事故から12

私たちが知っておくべきフクシマの見えにくい事実

毎年恒例、原発事故以来、東電の記者会見に通い取材しつづけるのおしどりマコ&ケンさんのZoom講演会を開催します。

参加には事前登録が必要です。登録先はこちら

開催日時 2023年6月18日(日)

東京 21:00   Berlin/Madrid/Paris 14:00 / London 13:00  Montréal/New York 08:00

2023年3月で12周年を迎えたフクシマ原発事故の影響や現在の状況に関する報告、調査は日々少なくなるだけでなく、覆い隠されどんどん見えなくなっています。その中で汚染水海洋放出、汚染土壌の「再利用」などは市民の理解を得ないまま「粛々と」進められようとしており、透明な調査や話し合いの代わりに「風評被害払拭」対策として広告宣伝に膨大な税金が使われています。

事故以来、東電記者会見に通い続け、作業員や市民と交流し、調査・分析を続けているおしどりマコ・ケンの二人が報告する恒例オンライン講演会「フクシマの見えにくい事実で私たちが知っておくべきこと」、ぜひご参加ください!

プロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。 漫才協会/落語協会/保健物理学会会員。 東京電力福島第一原子力発電所事故(東日本大震災)後、  随時行われている東京電力の記者会見、様々な省庁、 地方自治体の会見、議会・検討会・学会・シンホシウム・被害者による各地の裁判を取材。 また現地にも頻繁に足を運び取材し、その模様を様々な媒体で公開している。 2016年「平和・協同シャーナリスト基金」奨励賞受賞。 http://oshidori-makoken.com

 

主催:よそものネット

よそものネットは海外に住む在留邦人による脱原発ネットワークです

『世界のみなさまへ』福島原発告訴団団長・武藤類子さんからのメッセージ

世界の皆さまへ

2022年、私たちはロシア・ウクライナ戦争によって核兵器使用の恐怖と、原発は攻撃されれば核兵器になり得ることを再認識せざるを得ませんでした。8月から岸田政権は、GX基本方針などとしての原発再稼働、新増設、リプレース、運転期間の実質延長などの政策を次々に打ち出し、今年2月10日に閣議決定してしまいました。パブリックコメントは非常に短い期間しか募集せず、国民に対する説明・意見交換会も10カ所だけで、それがまだ終了していないのに強引に原発回帰への道を選んだ政府について、憤りを今まで以上に強く感じています。

福島原発事故は、未だ収束すらしていないし、7つの市町村には帰還困難区域が存在し、数万人の避難者が故郷に帰ることができずにいます。たった12年で事故の反省と教訓として選んだ「原子力の依存を低減する」「原発の運転期間を原則40年とする」「原子力の規制と推進を分ける」という政策を手放し、このような愚かな選択をすることが次の原発事故を準備することになりかねないと不安を感じています。私たちは再度、力をふり絞ってこの暴挙を止めなければなりません。

裁判の状況を見ても同じことが言えるかもしれません。昨年6月の国の責任を認めなかった避難者訴訟最高裁判決は、4つの裁判のうち3つが高裁判決では国の責任を認めていたのに、それを覆しました。今年1月の東電旧経営陣の刑事裁判控訴審は、現場検証も重要な証人尋問も却下しておきながら、「立証が不十分」と言って「無罪判決」とされました。避難住宅の追い出し裁判では、国際人権法からの避難者の住まいの権利という視点での審理がされませんでした。どの判決も十分な審理を行ったとはいえない納得しがたい判決でした。これは原発回帰の方向性と無関係ではないと感じます。東電刑事裁判は最高裁への上告が決まりました。高裁判決の欺瞞を社会に広め、弁論が開かれるように運動を続けたいと思います。

もう一つALPS処理汚染水の海洋放出が、今年の春から夏へと迫っています。一旦海洋に流し始めたら、今後何十年も流すことになります。私たちは昨年、環太平洋に住む人々と一緒に国際フォーラムを持つことができました。汚染水が流される先には、海を生きる場とする人々への人権侵害と、海を住処とする生物への命の侵害があります。これは国際的にもますます大きな問題になるでしょう。事故で既に膨大な放射性物質を流しているのに、国と東電が福島の海から意図的にさらに放射性物質を流すことに、私たちはいたたまれない気持ちになります。何とか止めたいと思っています。私たちは、一昨年政府が海洋放出を閣議決定した4月13日近辺に、世界の各地で海洋放出に反対するスタンディングを行うことを呼びかけています。世界の市民が繋がって、汚染水の海洋放出を止めるアクションを一緒に起こしていきましょう。

今、世界の暗さは一層増しているように感じますが、未来の世代に手渡す世界に、少しでも光が射すように、私たちは決して諦めることなく力を尽くしましょう。

 

2023311日 福島にて

 

武藤類子

福島原発告訴団団長

http://hidanren.blogspot.com

http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.com/p/blog-page_5112.html

 

武藤類子さんのメッセージは毎年複数の言語に翻訳されています。今年は7か国語。詳しくは在外邦人による脱原発ネットワーク「よそものネット」のウェブサイトでご覧いただけます。

https://yosomono-net.jimdofree.com/%E6%AD%A6%E8%97%A4%E9%A1%9E%E5%AD%90%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8-7%E3%82%AB%E5%9B%BD%E8%AA%9E/

 

選挙に行こう!

こんにちは!

もうすぐ参議院選挙ですね。

海外からの在外投票はもう締め切られましたが、日本の投開票日はいよいよ今度の日曜日7月10日。社会を作っていくのは私たちの票に託した思い。今回の選挙が終わったら、次の国政選挙は2025年までありません。日本のみなさん、ぜひ投票にいってくださいね!

原発のない未来を目指して、ドイツの片隅で仲間たちとこじんまり活動しているSayonara Nukes Berlinは、投票率(特に在外選挙)向上のために何かできないか、ということで、昨年の衆議院選挙からSNBときどきラジオ★選挙に行こう!シリーズをYouTubeで配信しています。

私たちが「この人に話を聞いてみたい」という方をお招きして、その人のパーソナルストーリーを織り交ぜながら、政治について、選挙についてお話を伺う気まぐれ不定期な番組です。よかったら聴いてください。

これまでの配信

■第1回 『女性差別を受けながら奮闘した放送記者人生』ゲスト:ドイツ在住ジャーナリスト永井潤子さん

かざぐるまデモに参加するなど、私たちの活動を応援してくださっていた永井潤子さんは、2022年4月4日に永眠されました。永井さんの歴史を残すことができ、去年インタビューしてよかったなと思っています。永井さん、ありがとう。

 

■第2回 『優しさと寛容の時代へーLGBTもそうじゃない人も生きやすい社会』 ゲスト: DJ SiSeNさん

 

■第3回 『カンボジアで子どもの栄養問題解決を目指したソーシャルビジネスを起業! 投票に行くワケ、行かなかったワケ 』ゲスト:Nom PoPok 代表 大路紘子さん 福原明さん

 

■第4回 『社会の不条理をダンスを通して問いかける -東日本大震災がぼくを変えた-』                ゲスト:ダンサー・振付師 カズマ グレンさん

 

■第5回 『中国に残されて44年 戦争を生き抜いた壮絶な人生と二つの祖国』  ゲスト:中国残留邦人 種子島秀子さん

 

■第6回 『1人の100歩より100人の1歩 社会は必ず変わっていく! 若者と共に歩む地球人』  ゲスト:NPO法人アースウォーカーズ代表理事 小玉直也さん

 

■第7回 『日本は危機を脱することができるか 28歳でベルリンに飛び込んだ青年、48年を経て今伝えたいこと         ゲスト:梶村太一郎さん(ジャーナリスト)

 

海外から投票できる在外選挙制度。在外公館まで遠い、郵便投票が間に合わない、時間と費用がかかるなどハードルの高い在外選挙にインターネットでの投票導入を求める署名を集めています。海外在住の方も、日本にお住まいの方もご協力ください。参議院選挙後に総務省とデジタル省に提出する予定です。

署名サイトリンク https://chng.it/MN942XBs

 

 

 

おしどりマコ&ケン Zoom講演会を開催します!『フクシマ原発事故から11年 私たちは何を知っているのか』

★参加費無料★お申し込みはこちらから https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_Juv_ZcWySDm0E2Frf-0YOA

 

『フクシマ原発事故から11年 私たちは何を知っているのか』

★開催日時★
2022年5月14日(土)
東京 21:00
Berlin/Madrid/Paris 14:00
London 13:00
Montréal/New York 08:00

2022年3月で11周年を迎えたフクシマ原発事故について、私たちはなにをどれだけ知っているのか。10年過ぎてから見えてきた事実、明らかになった情報は何か。私たちが把握または理解しておくべきことは何か。

事故以来、どのジャーナリストよりも頻繁に東電記者会見に通い、作業員や市民と交流し、メディアで取り上げられない問題点を地道に取材し続けているおしどりマコ・ケンが、二人だからこそ語れるフクシマの現状と問題点を細かく報告していただきます。ぜひご参加ください!

【プロフィール】

マコとケンの夫婦コンビ。漫才協会/落語協会/保健物理学会会員。東京電力福島第一原子力発電所事故(東日本大震災)後、随時行われている東京電力の記者会見、様々な省庁、地方自治体の会見、議会・検討会・学会・シンポジウム・被害者による各地の裁判を取材。また現地にも頻繁に足を運び取材し、その報告を様々な媒体で公開している。2016年「平和・協同シャーナリスト基金」奨励賞受賞。 http://oshidori-makoken.com

 

 

講演会のフライヤーをダウンロード

おしどりマコ&ケン講演会フライヤー2022

 

YouTube音声配信はじめました! SNBときどきラジオ★選挙に行こう!シリーズ

突然ですが、みなさん、今の日本の政治をどう思いますか? そろそろ変化が必要じゃないかなと思いませんか? 私たちが変化をもたらすことができる一つの方法があります。それは、選挙に行って、投票で意思表示することです。

今年は衆議院選挙もあることですし、「みんなで選挙に行こう!」と盛り上げようということで、SNBメンバーがこの音声配信をドイツからお届けすることになりました。

その名も『SNBときどきラジオ★選挙に行こう!シリーズ』

私たちが「この人に話を聞いてみたい!」という方をお招きして、その方のパーソナル・ストーリーを織り交ぜながら、政治についてどんなふうに向き合っているか、お話をうかがいます。

記念すべき初回のゲストは、ドイツ在住49年フリージャーナリストの永井潤子さんです。永井さんは、まだ在外投票ができなかった時代、ドイツでたったひとりで運動を始めた方です。

外務省の一昨年の統計では、海外に住む日本人の在外投票率はわずか約20%。海外でも投票できるように嘆願運動をした人たちの努力で実現した在外選挙。この努力をむだにしたくはないですね。

■在外選挙制度について■

「在外選挙制度」とは、仕事や留学、移住などで海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度です。これによる投票を「在外投票」といいます。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人証というカードを持っている人です。 在外選挙人証を取得するまでの手続きには、2か月前後かかります。まだ在外選挙人証を持っていない方は、10月に予定されている衆議院選挙に間に合うように、大使館や領事館を通して早めに手続きしましょう。またこれから海外に行かれる方は、渡航前に登録申請できるようになりましたので、ぜひ申請しましょう。 手続き方法は、総務省や在外公館のホームページで詳しく紹介されています。

総務省 https://www.soumu.go.jp/senkyo/hoho.html

外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/sen…

日本に住むみなさんも、投票日当日に行けない場合は、期日前投票や不在者投票もありますので、どうぞあきらめないでくださいね。 私たちに与えられた一票を投じる権利、無駄にしないで、ご家族やお友だちを誘って投票に行きましょう!「今」と「未来」の私たちと社会のために。

総務省 『なるほど!選挙』 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo…

「ときどき」ということで、配信は不定期ですが、これからいろいろ魅力的な方々のお話をお届けしたいと思います。

私たちにできる10のこと

Sayonara Nukes Berlinは、2013年以来「かざぐるまデモ」を毎年3月に行い、ベルリンから脱原発を訴えている。メンバーのひとりひとりは、前回の投稿で紹介したように、ごく普通の生活者だ。原発なしのエネルギーへの転換は、国の政策や企業の方針に左右されるが、生活者である私たちひとりひとりの声や行動がうねりとなったとき、政府や企業の方向性に影響を与えることができると思う。あらゆる分野において、市民の訴えに応える形で法律や制度が作られ社会が少しずつ変わってきた歴史を見れば、よりよい社会を形成していくために市民運動はとても大切な役割を持っていることがわかる。問題の多くは、突き詰めれば「いのち」「人権」という大きなテーマに行きつく。それがないがしろにされているとき、市民がアクションを起こすことはとても重要なことだ。

「運動する」ことは、特別のことではなく、私たちの生活の一部になるべきだろう。SNSの発達により、いろいろな形態で参加できるようになった。そして、運動に参加することによって、生きていくうえで何を大切にすべきかということを自らもっと考えるようになるし、私たちの考え方や生活のしかたも変革していく。さらに言えば、自らの選択によって生活のしかたを変えていくことも、一つの「運動」なのかもしれない。

そんなことを考えながら、原発のない未来を実現するために、私たちが具体的にどんなことができるのか、メンバーと話し合ってみた。それを「私たちにできる10のこと」としてまとめてみた。

未来のために原発とさよなら ― 私たちにできる10のこと ―

1.エネルギー問題や放射能汚染について関心を持つ
2.チェルノブイリやフクシマを忘れず、家族や友人と原発事故の教訓について会話する
3.エネルギー問題をテーマにした講演会に参加したり書籍を読んで学ぶ
4.ひとつのニュースソースを鵜呑みにしないで、自分で調べて考えてみる
5.エネルギー関係の情報をSNSで共有する
6.原発に反対するデモに参加して共に声を上げる
7.エネルギーを含めた環境問題に取り組む団体を支援する(ボランティア・寄付など)
8.電気を含むエネルギーの節約の工夫をする
9.再生可能エネルギーによる電力会社を選ぶ
10.エネルギーや環境に配慮した政策を提示している候補者に投票する

脱原発を訴えるグループとしてイベントを行うだけではなく、自分たちの日常生活ではどんなことを実践しているかメンバーに振り返ってもらった。ここで何人かのメンバーから集まった実践例を紹介する。

♦再生可能エネルギーの電力会社と契約しています。
♦感情的/扇動的/一方的な情報を見分けて精査する能力を養う努力をしています。そういった情報や精査の過程をとくに賢いわけでもない普通の市民の疑問として友人や家族の目に触れるようにしています。
♦友人と原発事故の様々な影響について直に話すようにしています。

♦再生可能エネルギーの電力を選択しています。
♦エネルギーとは何かという物理の話を議論する集まりをしていました(コロナ前)。エネルギー問題に取り組んでいる人たちでもエネルギーとは何かを知らず(例えばエネルギーの単位は何かなど)、エネルギーとは何かを説明できない場合もありました。そして原発に賛成する側でも反対する側でも間違ったことが共有されてしまったりすることがあったためです。

♦私たちの生活に密着する深刻な問題だからそれぞれの記念日はもちろん、普段からこの問題にまつわる会話を積極的にしてきた。
♦自分の余暇の範囲で、できるだけ信頼のおける専門家の話に耳を傾けるようになった。
♦政治的な発信は時に勇気のいるものだったけど、続けるうちに気づいたら思ったことを何でも言えるようになった。
♦原発に反対するデモに参加している。
♦普段からまめに電気を消して、衣類に気を付けなるべく冷暖房に頼らない工夫をしている。必要以上に家電を購入しないようになった。
♦投票は欠かしたことがないが、ただ投票へ行くだけではなく、周りの友人や家族に声をかけるようになった。
♦再生可能エネルギーによる電力の選択では、代々木公園で環境フェスティバルに参加して各社のテントでパンフレットをもらったり話を聞くなどしてより具体的な選択ができた。

♦あまりたいしたことをやってないので恥ずかしいが、しいて言えば、エネルギー問題の書籍を読んで勉強し、自分で調べて考えるようにしている。

♦わたしの個人の家の電力会社は再生エネルギーの会社にしています。
♦テレビ、ラジオの電源は切っておきます。使い終わったらコンセントから外してます。

♦確実に再生可能エネルギー100%による電力しか供給していない電力会社と契約するのはもちろんのこと、私なりのダイベストメント(投資の反対で投資から撤退すること)を実施し、原子力、化石燃料を扱う企業に出資することをはっきり拒否し、環境に優しいプロジェクトにだけ投資している銀行に口座を変えた。
♦なるべく地元で、無農薬で栽培され野菜・果物を買い、できるだけアフリカや南米から届いた野菜・果物等は買わない。
♦2番にも共通するが、外貨が儲かるからと森林を破壊し大量に水を吸い取って地下水を枯渇させていく南米のアボガド栽培で、水不足をうみ、労働者(子どもも)低賃金・悪労働条件で働かされていることから、アボガドは好きだが非買運動をして、買っていない。

♦子どもたちと原発問題について話してます(息子は興味を持って小学校で原発問題をテーマに作文執筆!)。
♦デモ用のかざぐるまづくりワークショップを小学校を借りて行った(息子のクラスメートも参加)。
♦幼稚園にデモのポスターを貼らせてもらった(保護者がかざぐるまづくりのワークショップに参加してくれたり、先生がデモに参加してくれた)。
♦語学学校のテーマで原発問題を話題にする。
♦エネルギーの節約、できるだけやってるつもりですが、電気のついてるところでまとめて作業するとか、できるだけ昼間の電力を使って調理やアイロンとかするようにしてます。

♦関連のドキュメンタリーがあったら観てみる。
♦センセーショナルなニュースであればあるほどいろんな情報を読んでみます。なるべく別の見方も知りたいので。
♦FaceBookしか使ってないですが、これは!と思ったニュースとかpetitionなどはシェアしてる。
♦毎月引き落としでWWFなどNGOに寄付してる。
♦アマゾンとかの森林を破壊したくないので、なるべく肉は食べない。食べる時はスーパーの安肉じゃなくてマルクトのブランデンブルグ周辺の畜産業者扱いの肉屋で買う。
♦野菜もなるべく遠くから来たのじゃなくて、近くの農園のをマルクトで買う。
♦最安値の会社ではなく、グリーンエネルギーの電力会社と契約してます。
♦在外投票してます。候補者の政策も比べて投票してる。
♦かざぐるまデモには友達誘って毎年参加!

福島の原発事故から10年、被災地がどう変わったかという報道はよく目にするが、私たち自身の意識や生活はどう変わったのだろう?

あなたの意識や生活にはどんな変化がありましたか?

何か新しく始めてみようと思うこと、ありますか?

 

 

SNBメンバー紹介!

原発事故後の福島の現状に心を痛めた一人が友人に声をかけ、5人が集まり、ベルリンで初めて日本人による脱原発のデモを開催してから8年。2013年、デモなど自分たちで企画したことがない素人だったが、とにかく始めてみた。そして毎年少しずつ一緒にやってくれる人が増え、今では主要メンバーは10人以上になった。

今年は原発事故から10周年ということもあり、毎年行っているかざぐるまデモのほか、二つのオンライン講演会を企画した。去年の7月から毎月Zoomでミーティングをし、アイディアを出し合い、様々なことを協議して民主的に決定し、それぞれができることを引き受けて実施した。毎年このようなプロセスを、お互いを尊重しつつ、ともに取り組むSayonara Nukes Berlin(SNB)のメンバーたちはとても多様だ。

「SNBはXXが背後にいるのでは」「危険な団体?」

というようなことがネットでどこかに書かれていたらしい:)

私たちは「子どもたちによりよい未来を残そう」という思いを共有している普通の市民ボランティアなのだけれど、そうか、どんな人間が集まってやっているのかあまり見えてこないのかも。ということで、今回はSNBのメンバーを紹介しようと思う。

RH – SNBの発起人。あらゆるジャンルの人たちとつながるネットワーキング力と、分け隔てない包容力で人の輪を広げてきた。料理上手な二児の母。

YK – プロのドイツ語翻訳者としての忙しい仕事の傍ら、原発や社会問題について、やる意義を見出せばボランティアで翻訳を引き受けるなど、こなす仕事量は半端でない。

AM – SNBのイベントのポスターやフライヤーのデザインを担当。ミーティングでは発言は控えめだが、彼女が意見を言うときは、短くピシッと的を射る。

ES – ソプラノ歌手で二児の母。会計担当。デモが近づくと、家族全員を動員し、かざぐるま製作で職人技を発揮する。作業も会計も太陽のように明朗にこなす。

IO – 育児で忙しくしているが、デモのビラ配りにかけてはSNBでピカいち。戦略的に配布場所を考えて配りまくるフットワークの持ち主。

MI – 美術家として長年ベルリンで活動。ポスターやフライヤーなど制作物のデザインについてアドバイスをくれる。温厚な人柄でSNBにとって暖炉のような存在。

SR – 子どもにかかわる仕事をする傍ら、イタリア人と3人組バンドを結成。アートの才能もあり、デモのポスターの原画描きや、ワークショップ系の企画も引き受けてくれる。

HY – ドイツ企業で活躍するプログラマー。SNBのウェブサイトなどテクニカル部門を担当。仕事の傍ら、数学を教える動画をボランティアで長年配信している。

MN – SNBのイベントのポスターやフライヤーのデザインを担当。常に冷静沈着、ボランティア活動でもプロフェッショナルさがキラリと光る。

HF – ベルリンの大学で教鞭を取っていた。東日本大震災をきっかけに立ち上げた東北を支援するNPOを運営するが、SNBでもドイツの団体との協議などを担当してくれている。

KGM – ダンサー・振付師。第一回目のデモからのメンバー。SNBのイベントでパフォーマンスを担当。ダンスを教える傍ら、自身のダンス作品でも原発や社会問題をテーマに取り組んでいる。

TK – ドイツ国内の大学で教鞭を取っていたが、定年後、執筆活動へ。長年学生と付き合ってきたせいか、メンバーのとっぴな意見も柔軟に受け止め面白がってくれる。

YM – 第一回目のデモからのメンバー。途中、国際協力の仕事でドイツを離れてブランクがあったが、再びドイツに戻りSNBの活動に復帰。英訳・書記担当。

MF – ジャーナリスト。メンバーではないが、第一回目のデモから協力してくれていて関わりは深い。ドイツの原発事情・エネルギー問題に精通。

No Nukes Usagi – SNBのマスコット。初めてデモを行った年、ベルリン在住のアーティストChuuuさんがボランティアでSNBのためにデザインしてくれた。レインボー色は、多様性を認め合う社会をイメージしている。

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あるときミーティングで、市民グループとして脱原発を目指す活動をしているが、自分たちの実生活でもいろいろと実践することが大切だね、という話になった。そこで、みんなで『未来のために原発とさよなら ― 私たちにできる10のこと ―』と、メンバーが日頃どんなことをこころがけているかまとめてみた。それは次回のブログ記事で紹介したい。