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かざぐるまワークショップ2020

 

今年もまたInterkulturelles Haus Schönebergにて、参加者のみなさんと一緒に、3月7日の土曜日に行われるかざぐるまデモで配るおよそ300本のかざぐるまを作りました。

かざぐるま作りのベテランの参加者たちが、新たな参加者たちに作り方を教えながら、慣れた手つきで花火の棒に針金を巻き付けます。かざぐるまは、Sayonara Nukes Berlin(SNB)のメンバーが新年に拾い集めた花火の棒をきれいにして、木のビーズと紙のテープを使って作られています。

作業も早く、いちばん熱心に作ってくれたのは、手先の器用な子どもたちかもしれません。昨年と同様、素敵な模様のついたかざぐるまの型紙のデザインは、みどりさんによるものです。

カフェスペースで和む参加者たち。いつの間にか、数学の先生が数字を使った手品(?)を披露していました。

 

 

今年はヴェーガン用のマフィンも登場、イチゴのロールケーキや抹茶のベイクドチーズケーキがなかなかの売れっ子でした。SNBのメンバーが持ち寄ったお菓子や飲み物への寄付の

収益は、67,9ユーロとなりました。この寄付金は、私たちの活動のため、大切に活用させていただきます。みなさんのおかげで、今年も朗らかに楽しくかざぐるまを作ることができました。ありがとうございました。

風を受けると、かざぐるまを持つ手のひらに、再生可能エネルギーの確かな手応えを感じます。3月7日のかざぐるまデモで、みなさんにお目にかかります。

詳細は、kazagurumademo.deで。

NEWS:3月7日はフクシマ原発事故9周年 かざぐるまデモ

2020年3月7日(土) 12時
ベルリン・ブランデンブルク門(パリ広場)

フクシマは収束などしていません!

2020年3月11日にフクシマ原発事故は9周年を迎えます。

2020年の夏には東京オリンピックが開始されます。「アンダーコントロール」とは程遠い状況なのにもかかわらず、競技のいくつかが福島県で行われることになっています。事故を起こした原子炉からはいまだに放射能物質が大気に放出されており、汚染水が毎日流れ出ていて、何十万人という人々が故郷や生活の基盤を奪われたまま、未だにその打撃と心痛を抱えて生きていくことを余儀なくされています。原発事故はすでに収束したと世界に誇示するための格好の機会として、日本政府はオリンピックを利用しようとしているのです。原発最悪事故、その被害や影響を過小評価し、あたかも日常が戻ってきたかのように思わせようとしています。被害者を助け支援する代わりに、事故前まで適用されていた年間積算線量の基準許容値を単に20倍に引き上げることで、日本政府は避難した人々を線量の高い地区へ帰還させようとさえしています。私たちはこの政策に断固として反対します!

原子力は気候変動の解決にはなりません!

汚染の恐怖:原子炉は放射線を半永久的に出し続ける危険な放射性廃棄物を生み出します。
危険すぎる:フクシマやチェルノブイリなどの重大事故は防げず、原子力技術イコール核技術で、新型原子爆弾の開発を推進するだけです。
無謀なコスト:原子力は二酸化炭素排出を減らすというなら、その中でも一番高価な方法です。
不当な定説:核の燃料サプライチェーンは二酸化炭素の排出量が少ないという定説は、正しくありません。
制御不可能:原発は再生可能エネルギーほど手軽に、インテリジェントな制御ができません。
解決にならない:気候変動は、いつか(廃棄物を含み危険のない)新世代の原発が完成するのを待ってはくれません。*注)これは新世代原発に賛成するものではありません。

私たちは次のことを求めます:

・汚染地域があたかも復興したように世界に誇示するためのオリンピック利用をやめること
・日本政府は、避難した人々を線量がまだ高い地域に戻そうとする帰還政策を即刻やめ、賠償金および支援金の支払いを続けること
・世界中の原子力施設、ことにドイツのグローナウのウラン濃縮工場やリンゲンの核燃料製造工場を即刻停止すること
・EURATOMおよびその他の原子力技術を促進する団体を解散すること
・原子力技術を促進するための補助金等を、再生可能エネルギーおよび放射性廃棄物処分・保管のための、独立した市民団体が管理する研究へ回すこと
・「核兵器禁止条約」の署名

主催:
Anti Atom Berlin (www.antiatomberlin.de)
Greenpeace Energy (www.greenpeace-energy.de)
NaturFreunde Berlin (www.naturfreunde-berlin.de)
Sayonara Nukes Berlin (www.sayonara-nukes-berlin.org)

共催:
AK Rote Beete (www.ak-rotebeete.de/)
Anti-Atom-Plenum Berlin (aap-berlin.squat.net)
BÜNDNIS 90/DIE GRÜNEN (www.gruene.de)
Coop AntiWar Cafe (www.coopcafeberlin.de)
Die Linke Landesverband Berlin (www.dielinke.berlin/nc/start)
Friedensglockengesellschaft Berlin e.V. (www.weltfriedensglocke-berlin.de)
ICAN Deutschland (www.icanw.de)
Interkulturelles Haus in Schöneberg (www.ikhberlin.de)
IPPNW Germany (www.ippnw.de)
Kuhle Wampe (www.kuhle-wampe.de/kuhle-wampe-berlin)

NEWS:かざぐるまワークショップ2020

日時:2020年2月22日 13時から17時
場所:Interkulturelles Haus Schöneberg, Geßlerstr. 11, 10829 Berlin

コーヒーを飲みながら午後の工作はいかがですか?今年も3月7日に行われる「かざぐるまデモ*」で配るかざぐるまをみんなで作ります。お子様の参加も歓迎します。ぜひご家族やご友人をお誘いあわせの上、足をお運びください。

2018年のワークショップの様子

針金を切ったり曲げたりするペンチ、はさみや千枚通しをお持ちの方はご持参ください。そのほかの必要な材料はすべて会場に用意してあります。

 

 

*かざぐるまデモって?

かざぐるまデモ 
 - フクシマ9周年 -

2020年3月7日土曜日 
12時より
ブランデンブルグ門パリ広場

www.kazagurumademo.de

主催:Sayonara Nukes Berlin

ドイツの再生可能エネルギーに学ぶ福島の高校生 2019

メモを取る高校生たち、私も負けじとメモを取る

2019年8月11日。この日は福島を伝え再生可能エネルギーを学ぶ福島からの高校生たちのために、ベルリンに在住する再生可能エネルギーと環境政策のエキスパートである、西村健佑さんの講演が開かれた。

提供:UMwErlin

背景にある模様はClimate Stripe/気候ストライプと言われ、温暖化の傾向を視覚的に伝えるものだ。日本、ドイツ、北米、世界の過去20年に遡った気温の推移を表したストライプの紹介の後で、気候変動によって野生動物の生態系にも変化が見られており、このところはClimate Crisis/気候危機とも呼ばれるようになっている。今夏の欧州は二度の熱波に見舞われ、ドイツも二回の過去最高気温を記録したが、最も深刻なのはアイスランドやグリーンランドで観測史上最も多く氷河が融解している。放っておけば2020年代の終わりには北極の氷はほとんど失われるだろうといわれている。スウェーデンの高校生グレタさんが始め、国際的に拡大している気候変動問題のための学校ストライキについてはご存じの方も多いだろう。福島の高校生たちは、ベルリンで行われたこのFridays for Futureにも参加して、再生可能エネルギーの拡大を訴えている。(*1)

基礎中の基礎、エネルギー資源とは。

提供:UMwErlin

再生可能エネルギーは無限にあって環境に優しいが新しい土地が要る、原子力エネルギーは少ない量で多くのエネルギーを生み出すが、ウラン採掘からの健康被害、廃棄物の問題ともに深刻だ。化石燃料は万能型と呼ばれ、貯蔵や移動も簡単、しかし環境破壊、地球温暖化の原因につながっている。

提供:UMwErlin

これまでのドイツの脱原発までの道のりを電力の歴史と振り返る。ドイツのエネルギー転換は1986年のチェルノブイリの事故後、80年代後半には始まっている。2000年初頭には当時の政権が電力会社との脱原発への合意を得るも、のちのメルケル政権によってこの政策は後退していた。2011年に起きた先進国日本の福島の原発事故による衝撃は大きく、メルケル政権は2050年に最終的なエネルギー転換を完結するべく大きく舵を切った。2020年には脱原発、2025年には電力供給の40~45%、2030年には60%、2050年には80%の再エネ化を目標に掲げ、今年の話し合いでは2038年には脱化石燃料が新たな目標に加わった。

再エネと名高いドイツで本当に重要とされるのは省エネ。

省エネというと、冷暖房の我慢をはじめ、私たちの暮らしを窮屈なものにするようなイメージがあるが、実際にはどういう取り組みがなされているのか。

ドイツの建築物は壁が厚い!厚いほどに断熱性が高くなる。夏は屋外の熱を入れず、冬は屋内の熱を逃さない。年間を通してエネルギーを使わずに一定の温度が保たれる。また日本の窓枠に使われるアルミは熱伝導率が高いためドイツでは主に樹脂や木材が使われる。

ひとつには建物の性能をあげる(*2)ことであると西村さん。ドイツでは国で定められている省エネルギー政令の基準を満たさない新たな建築はできない。既存のアパートや家屋を改修する際にも、この基準が適用されなければならない。政令の基準は日本よりずっと高く、日本で一般的に売られているハウスメーカーの住宅では、各社の最高品質のものでもこの基準を満たすことは難しい。日本の学校ではせっかく設置された冷房が使われないなどの声を耳にするが、省エネ建築の窓を入れ替えてブラインドを入れ替えるだけでも学校の室温はだいぶ変わりますと西村さん。目指すべきは我慢することではなくほしいものを伝えること、エネルギーを使わなくても快適な居住空間や教室を手に入れることができる。

再エネはコストが高い、使いづらい、不安定と言われているが。

ドイツでは再エネの発電単価は、すでに原発や化石燃料よりも安くなっており、2014年には再エネの買取価格はこれまでの3分の1以下に。原発や化石燃料の高い理由には多大な補助金も含まれている。

提供:UMwErlin

ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にある人口700人ほどの町ザーベック(*3)にある高校の高校生が自分たちの学校の屋根に太陽光パネルを設置して、この電気を販売し、売り上げを遠足などに利用している。こうした取り組みの結果、ドイツ国内の再生可能エネルギーの発電設備の所有者は、そのほとんどが市民である。およそ35%は家屋に太陽光パネルを設置している市民。ほか風力やバイオマス設備のほとんどが農家、そして電力会社ではない一般の民間企業。ドイツの大手電力会社4社は全体の5%しか所有していない。理由に大きな企業は効率の悪いものには投資できないことがあげられ、”使いづらさ”はむしろ一般市民の取り組み易さにつながっている。

提供:UMwErlin

また再エネの安定化には課題が残るもすでに技術はそろっている。電力の安定化というが、供給側のみならず、需要側である私たちが使用する電力も実は不安定であると西村さん。こちらは2014年6月28日サッカーのワールドカップの決勝戦の日のブラジルの電力消費図。青いラインは通常の一日を表している。この日は赤いラインで決勝戦があったため、仕事をしないもしくは早々帰宅して自宅やパブで試合を観戦したことで午後にはグラフが深く落ちている。ハーフタイムには、おそらく一斉に冷蔵庫を開けて飲み物を取ったりしたのではないか、ちょっぴり突起している。試合終了後には街に繰り出し大騒ぎをしたであろう、再び電力の消費量が上がっている。

こうした電力の需要と供給の安定化を目指すためのドイツの取り組みは、小規模の再エネ発電を制御し、管理することを目的としたVPPと言われるVirtual power plant/仮想発電所だ。日本ではまだ完全とは言えないが、ローカルエナジーみんな電力でも取り組んでおり、熊本電力でも試みがなされようとしている。

なぜドイツは再エネと省エネの道を選ぶことになったのだろう。

日本の福島の原発事故を受け、時のメルケル首相が専門家を招集し安全なエネルギー供給に関する倫理委員会を設けたことは有名である。技術者による報告では、ドイツでは地震や津波がないことから、同様の事故が起きる確率は限りなく低いというものであった。しかし倫理委員会では、倫理的なエネルギー制度をつくりたいのであれば原子力はやめたほうが良い、地球温暖化をもたらすエネルギーからも脱退したほうが良い。これらの使用をやめることで、ドイツ社会には一時的な負担がかかるが、次世代のことを考えるなら今その方向に舵を切り、投資をする必要があるとの結論を示し、市民の批判や運動の高まりとともにメルケル首相の脱原発を後押ししたのである。

みんなが使うエネルギーをみんなが決めてよいし、決めなくてはならない。

第四世代原子炉に向けた技術やそれを推進したい人々がいるなか、総合して個人的に調べた結果、原発は要らないと考えるようになった。誰かの意見を聞くだけではなく、自ら調べて選んで決めて、できる限り行動してほしいと西村さん。

例えば30万人規模の日本の自治体が化石エネルギーを買うために、およそ40億円のお金が出ている。再エネを選択することで、この費用の3分の1から半分のお金を地域にとどめ、循環させることで、より良い意思決定を長期的にしていくことが可能である。安い電力を地域の外から買うだけでは全体的な最適化は成り立たない。こうした全体最適と部分最適の観点も大事である。そして情報の真贋を自ら確認すること、エネルギーを選べる時代に選ぶことへの責任、立場の違う人々との効率的なコミュニケーションについてを説かれた。講演を通して西村さんの人柄や人生哲学をも垣間見たように思う。

※一部に筆者による補足と脚色が含まれます。


*1:独で世界的な環境保護行動に参加 福島の高校生9人:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)  https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019081001001415.html

*2:ドイツの環境建築 – ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト http://www.newsdigest.de/newsde/features/8672-environmental-architecture-1/

*3:エネルギー政策の大転換を自治体が実践 - ドイツ NRW州の町ザーベックの挑戦 2014 https://www.klimakommune-saerbeck.de/city_info/display/dokument/show.cfm?region_id=408&id=375006


講演者:西村健佑氏 

ベルリン自由大学・環境政策研究所環境学修士、エネルギー市場・政策エキスパート、ベルリンでエネルギー市場調査に関するコンサルタント会社Umwerlin (https://note.com/umwerlin) を経営。欧州のエネルギー・産業政策の調査、通訳、翻訳、また日独中小企業のビジネスコンサルも手がける。クラブヴォーバンメンバー。共著に『海外キャリアのつくり方 〜 ドイツ・エネルギーから社会を変える仕事とは? 〜 』『進化するエネルギービジネス(ポストFIT時代のドイツ)』

福島からの高校生と独日高校生交流会 2019

2019年8月8日、日本のNGO団体アースウォーカーズによる、福島を伝え再生可能エネルギーを学ぶ福島・ドイツ高校生交流プロジェクトの一環で開催された独日高校生交流会に参加した。

会場はプレンツラウアーベルグ地区にあるギムナジウム
絆・ベルリンのフランク・ブローゼ会長

会場のギムナジウムの校長のあいさつの後、ベルリンのNPO団体、絆・ベルリンのブローゼ会長によって、津波の解説や、東北大震災の被災地で立ち上げた数々のプロジェクトの紹介がされた。

ジャーナリストのふくもとまさおさん

ベルリン在住のジャーナリストであるふくもとまさおさんからは、福島の原発事故後の避難指示区域の解除の基準として年間線量20mSv(*1)が限界値となったが、これは本来原発作業員などに適用される値で、帰還地域ではそれが子どもや妊婦など公衆一般に適用されており、さらに原発通常運転時の国際標準として年間1mSvが現在上限値となっているが、それもいずれ年間20mSvに引き上げられることを心配しているとのお話があった。

小玉さんが2019年3月に国道6号線の原発から2km界隈を走る車内で撮影された動画によると、測定値はおよそ0.6μSv/hから最高で1.8μSv/hを超えた。通常一般市民が立ち入りを許可される区域ではないが、一般車の通行が事実上可能となっている。

福島の高校生らの英語でのスピーチを前に、アースウォーカーズの代表理事である小玉さんから、農作物の放射性物質は震災直後はかなり高かったが、今では一部の山菜や魚以外からは、ほとんど検出されなくなり、それらも事前に検査され市場に出荷されにくくなっていること(*2)、9人の高校生の居住地が異なることからも原発事故当時からこれまでに身を置かれる状況や体験も異なることが説明された。

聖真さん

聖真さんは、東北大震災の当時7歳、保護者の迎えを待って小学校から帰宅する道すがらに見た、倒壊した家屋や市役所の様子を語った。およそ1年後に政府による除染活動が始まり、自宅の周りの放射線量は減少している。当時は外遊びを叱られる理由を理解できなかったが、やがて原子力による発電は危険であると認識し、クリーンエネルギーに関心を持つようになった。

崚真さん
崚真さん

崚真さんも震災当時7歳だった。祖父母の家に向かう車内で感じた東北大震災の恐怖を語った。福島の原発の事故を知り、他県に住む親戚の家におよそひと月ほど避難した。学校の再開後に配られたひとりひと箱のマスク、外遊びは禁止され、学校の窓が開くことはなかった。福島県のナンバープレートを付けた車が他県で嫌がらせを受けた話に悔しい思いを抱くも、旅行先では福島から来たということを告げるのがためらわれた。福島県産の食べ物は、市場に流通する前に検査がされるようになったため、ほかの土地のものよりむしろ安全になっていると思う。僕たちは放射線の使い方を身勝手に間違えた、節度を持って扱えば人命をも救う。将来は放射線技師になりたいと述べた。

菫さん

菫さんは8歳だった。家族みんなが自らの命を守ることに必死だった当時の状況を語る。まだ雪の降る季節の避難所の固い床で家族で身を寄せ合って寝た三日間は忘れられない。物資の限られる中、心身ともに疲弊した。8年を経て復興が進むが、まだ避難生活を送る人がたくさんいる。津波の被害を受けた一部の地域は、時が止まったように当時のままである。

華恵さんと、発表を励ます菫さん

華恵さんは、避難地域の浪江町に住んでいた。発表の最中、涙に言葉が詰まった。避難所では大人の弱さを見ることとなったと語る。衛生状況の悪さから体調を崩すなどつらかった避難所から、夏は暑く冬は寒すぎるという仮設住宅に移る。8年の月日は早かったが、この間に賠償金をもらっている、放射線を持ち込んでいる、避難先を出ていけなどのひどい言葉をあびてきた。親しい友人からは、ロッカーに死ねと書かれた。福島県は変わっていないと思う。浪江町に行くことがあるが、瓦礫はなくなるも居住者が激減し活気を失った町の様子から良い方向に向かっているとは思わないが、元の浪江町に戻したほうが良いと思うので行動していきたいと語った。

美悠さん

美悠さんは9歳だった。電力会社に勤めていたため呼び出しを受け発電所に駆け付けた家族の身を案じて眠れぬ夜を過ごした。原発の事故の影響で、大好きな外遊びが制限されていたが、8年を経て、次第に元の日常を取り戻しつつある様子を語った。原発はたくさんのエネルギーを生み出すものの事故が起きた時の被害の甚大さを知り、福島県のみならず、日本全国で再生可能エネルギーの発展を願っている。

愛由さん

愛由さんは7歳だった。津波の被害をそれほど受けない町にいたが、報道を見た時のその衝撃は大きかった。当時は原発の事故や放出された放射性物質による被害の深刻さがわからなかったが、原発の事故によって避難せざるを得なかった友人ができたことを境に、理解を深めるようになった。食品の安全も図られ、福島はゆっくり回復しつつあるが、かつての姿はない。悲劇的な事故が福島で二度と起こらないことを願っていると述べた。

真帆さん

真帆さんは7歳だった。震災直後は生活に必要なあらゆるものが手に入らなかったこと、また放射性物質による汚染のために、真夏であっても肌の露出を避けるため長袖や長ズボンで過ごし、様々な野外活動の制限を受けた。県内でも最も放射線の測定値の高い町に住んでいたため、級友の半分は引越を余儀なくされ、友人からは避難先でばい菌のように扱われたとの体験談を聞いた。除染が進み、学校給食から消えた福島県産の農産物も検査を重ねて戻ってきており、震災前の暮らしを取り戻しつつある。

颯人さん

颯人さんは7歳だった。原発の事故により、多くの人々が避難したが、避難所では動物が受け入れられなかったために、ペットが取り残され命を失ったりした。被災したペットの多くには新しい飼い主が見つかるも、まだ飼い主の見つかっていない動物もいる。また被災した犬のなかには訓練によって災害救助犬になった犬がいる、自らもドッグトレイナーになりたいという夢を語った。

里桜さん

里桜さんは、かつての記憶に涙をつのらせながら、原発の事故の影響から友人が避難したり、学校に通えなくなったりしたことがつらかったが、もっともつらく怒りが湧いたのは報道やネットの情報が適切ではなかったことだと述べ、メディアリテラシーに対する不信感を感じた。そのため、友人は避難先で、放射能が移るから近寄るな、福島に帰れなどの暴言をあびるいじめにあった。そうした中、世界中から届く支援や韓国や中国から届いた励ましの言葉に感動し、今度は自分が困っている世界中の人々を助けたいとその意欲を語った。

福島の原発事故を受けて、国内外で様々な議論の声が上がるなか、取り残されたままの現地の声もあるのではないか。私は、生活を変えることを余儀なくされた人々、当たり前に生きる権利を奪われる人々を思えば、原子力エネルギーを発電に利用することに反対する立場である。日本政府には、直ちに政策の過ちを認め、エネルギー政策の転換を求めたい。また私たちが身を守るために必要な正確な情報公開を望むと同時に、自らも正しい情報を習得して発信できるよう努めたい。

会場からは、震災や原発事故から心的外傷を負った子どもたちをケアする取り組みはなされているのかという質問の声が上がった。自治体や学校ごとに取り組みがなされるべきではあるかと思う。福島県のウェブサイトには、被災者への心のケアや派遣支援のマニュアルの紹介があり、そのほか子どもの育成企画や状況報告はされている。NPO法人で相馬フォローケアチームという有志による取り組み等があるが、外部からは福島県内の取り組みの全容を知るには至らなかった。

2013年から支援の調達状況の限り取り組まれてきたこの企画であるが、折に触れて高校生たちの経験が互いへの連帯感や学びの見聞を広める様子を見ることができた。帰国報告会は、8月18日10:00〜東京ボランティアセンター(飯田橋駅徒歩2分)、8月18日18:00〜福島市ダイユーエイトMAX4階アオウゼ研修室(福島駅徒歩6分)。また各年齢に応じて福島県内に居住する子どもたちの県外での保養など、多くの企画を手がけている。詳細はウェブサイトにて:アースウォーカーズ。

2019 福島・ドイツ高校生交流プロジェクト 帰国報告会: https://youtu.be/Wbjz4svIDlo @YouTube


*1:京都大学原子炉実験所の今中哲司さんによる記事を紹介したい。◇「20ミリシーベルト」と幻の安全・安心論 今中哲二 岩波「科学」2017年7月号 (岩波書店許諾)

*2: 福島県のウェブサイトでは県内の農産物をはじめとする各種放射線モニタリング検査の結果や詳細が公開されている。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list280-889.html


高校生たちが各自作文し発表された内容については、全文から公平に抜粋するよう努めたもので、表現については発表のまま掲載する。

福島県をはじめとする各自治体の農産物の放射線検査とその安全性については、当団体が推奨するものではなく、各ご家庭の自主的な判断に任せるものとする。

ヒロシマ、そしてナガサキから74年目のベルリンの平和の鐘

2019年8月6日、ベルリンでも平和の鐘協会ベルリンIPPNWドイツ日独平和フォーラム・ベルリン、ベルリン市のクロイツベルグ・フリードリッヒスハイン区役所の共催によって、ヒロシマ、そしてナガサキの原爆投下から74年目を迎える追悼記念の行事があった。

クロイツベルグ・フリードリッヒスハイン地区の副区長でドイツ左派党/DIE LINKEのクヌート・ミルドナー・スピンドラーさんは、89年から30年間ずっとこの活動をしてきたが、立ち上げた時代は反核運動が盛んで87年には米露の間で結ばれた軍縮条約の中距離核戦力全廃条約があったが、米露の離脱、兵器を持つ国が増えている。この時代にふたたびこの活動の重要性が増している。大事なのは記憶すること、記念すること、啓発することだ、と述べた。

ノーベル平和賞を受賞したICANのドイツ支部、ICANドイツのヨアーナ・カリピディスさんは、平和が当たり前過ぎて人々が無関心になってきている。意識を高めるためにも、こうしたセレモニーは重要である、と述べ、ウェブサイトを訪ねて私たちの活動も見てほしいと話した。

 

 

2013年の初年度にSNBでも手伝った日本のNGO、アースウォーカーズによる、福島を伝え再生可能エネルギーを学ぶ福島・ドイツ高校生交流プロジェクトが続いており、この日に福島の高校生がベルリンに到着、彼らを代表して2人の16歳の高校生らが自らの体験談を英語で発表した。3.11当時は小学1年生、7歳である。先に発表した里桜さんは、明るい挨拶のあと、当時の体験を振り返り涙が止まらずスピーチを何度も中断した。クリーンエネルギーに携わりたいとの意欲を語る聖真さんは、原発の事故をきっかけに、当時7歳の自分が何が起きたのかわからないままに生活を変えることを余儀なくされた様子を語り、ヒロシマとナガサキのために集まった人々への謝意を述べた。

 

かつての大戦の記憶は薄れつつあるのか、世界情勢は刻一刻と変化している様に思う。このところは日本国内でも中距離核戦力全廃条約をめぐる報道が熱を帯びている。報道では主にINF全廃条約、INF条約などの表現が用いられる。これまでに米露でミサイルの開発、または試験等が繰り返され、双方が批判の応酬を繰り返していた。その結果、米国は昨年10月に条約の離脱を表明し、8月2日にこの条約の失効を迎えることとなった。この条約は核弾頭の中距離ミサイルに限ったものではないが、核兵器の抑止力のひとつとしてもとらえられてきただけに、国連をはじめ、世界の平和団体からの懸念の声は高まっている。

式典の終わりには、犠牲者に思いを馳せるとともに核兵器の廃絶を願って、来場者らが平和の鐘をつく長い長い列をつくった。平和とは、常にそこにあるものではない。先人の苦労とたゆまぬ努力の上に成り立っている。恒久的な平和を目指すためにも、今後ともできることを模索して行動していきたい。


広島市 - 平和宣言【令和元年(2019年)】 http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1110537278566/index.html
長崎市│令和元年長崎平和宣言(宣言文) http://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3020000/3020300/p033237.html @nagasakimaster

 

 

NEWS:フクシマ原発事故8周年 かざぐるまデモのお知らせ

Kazaguruma Demo zum Fukushima Jahrestag am 09.03.2019
Fukushima mahnt: Atomausstieg weltweit!
フクシマ原発事故8周年 かざぐるまデモ

開催日時:2019年3月9日 12時より
集合場所:Brandenburger Tor, Pariser Platz, 10117 Berlin

2011年3月11日に起きた東日本大震災の一環で、深刻な原発事故が起きました。このフクシマ原発事故こそ、技術大国であっても原子力は制御できないことを証明しています。原発が世界にある限り、このような原発事故はいつでもどこでもまた起こり得るものです。

2018年現在で、世界中に運転可能な原子炉は446基あります。各原子炉は1年に20から30トンの放射性廃棄物を出します。でも操業可能な最終処分場はまだどこにもありません。

ドイツでは脱原発は決定されたものの実現は徹底されていません。今でも7基の原子炉が稼働しており、毎日放射性廃棄物は増えています。原発のいくつかの稼働時間を延長せよと訴えている影響力の強いロビーもあります。同時に、リンゲンにある燃料棒製造工場、グローナウにあるウラン濃縮工場、研究用原子炉は脱原発から除外されています。

2022年までにドイツには1万5千トンの高レベル放射性廃棄物が山積みになる予定です。8000世代以来存在する人類が、たった3世代で夥しい量の放射性廃棄物を生み出してしまいました。しかも、このゴミはこれから3万3千世代も生物圏から隔離していかなければならないものです。

原子力ロビーはこの無責任な原子力技術を「二酸化炭素を排出しない地球にやさしいエネルギー」などと宣伝しています。しかし、ウラン採掘から電力や兵器のための原子力エネルギー利用、それから放射性廃棄物の貯蔵に至るまで、大量な二酸化炭素が作られます。再生可能エネルギーへなるべく早く転換し、エネルギーをなるべく節約することでしか、本当に地球温暖化を抑えていく方法がないことは明らかです。

原子力技術は私たちの地球をあらゆる形で「住めない場所」にしようとしています。核兵器やその他の放射能兵器、「通常の操業」における原子力施設から出される放射性廃棄物、いつどこでまた起こるかわからないチェルノブイリやフクシマのような原発事故、そしてどこでどう生物圏に忍び込んでくるかわからない放射性廃棄物のそれらがすべて地球を脅かしています。

私たちは次のことを求めます:
• 世界中の原子力施設を即刻停止すること
•およびその他の原子力技術を促進する団体の解散
• 原子力技術を促進するための補助金等を、再生可能エネルギーおよび放射性廃棄物処分・保管のための独立した市民団体が管理する研究へ回すこと
• 世界全体の核兵器廃絶。ドイツと日本は国連の「核兵器禁止条約」に署名してください

Website:
http://kazagurumademo.de

Facebookイベントページ:
https://www.facebook.com/events/2327156154275022/

主催:
Sayonara Nukes Berlin sayonara-nukes-berlin.org
Anti Atom Berlin www.antiatomberlin.de
NaturFreunde Berlin www.naturfreunde-berlin.de
Greenpeace Energy www.greenpeace-energy.de

共催:
BUND
IPPNW
Rote Beete
ICAN
Coop AntiWar Cafe
Kuhle Wampe
BürgerInitiative Lüchow-Dannenberg
Friedensglockengesellschaft Berlin e.V.
Ausländer mit uns
Die Linke Landesverband Berlin

2月23日かざぐるまワークショップ 2019のお知らせ

2月23日は

かざぐるまワークショップ 2019

::: WINDRÄDER BASTELN mit Kaffee und leckeren Kuchen :::

工作をしながらの午後のコーヒーはいかがですか?3 月 9 日に行われる「かざぐるまデモ*」で配るかざぐるまをみんなで作ります。お子様の参加も歓迎します。ぜひご家族やご友人をお誘いあわせの上、足をお運びください。

針金を切ったり曲げたりするペンチ、はさみや千枚通しをお持ちの方は、できればご持参ください。そのほかの必要な材料はすべて会場に用意してあります。

*かざぐるまデモって?

Kazaguruma Demo
zum 8.Jahrestag von FUKUSHIMA
Sa.9.3.2019
ab 12:00Uhr
Treffpunkt:Brandenburger Tor (Pariser Platz) Berlin

www.kazagurumademo.de

主催:Sayonara Nukes Berlin

 

フクシマの女たち・福島原発告訴団団長・武藤類子さんによる 2018年フクシマ原発事故7周年に向けたメッセージ

武藤類子                  福島原発告訴団団長 / ひだんれん共同代表 / 原発いらない福島の女たち

福島に心を寄せる世界の皆さまへ

福島原発事故から7年。今年も3.11がやってきます。

2011年のあの日から、ずっと福島を見守り、手を差し伸べて下さる皆さまに心から感謝致します。

今、福島では帰還、復興、健康作りなどの言葉が飛び交っています。2020年のオリンピックを2年後に控え、莫大な復興予算が投入され、震災の被害が顕著であった沿岸地域を中心に、イノベーションコースト構想と名打ち、廃炉技術やロボットの開発施設、大型風力発電、メガソーラー、木質バイオマス発電所などが建設されています。放射能汚染が最も深刻な福島第一原発立地町である双葉町にも、原発事故の被害の実相を伝えるとうたったアーカイブ拠点や産業会館等が建設を予定され、高校生の修学旅行を誘致しようとしています。福島県は、オリンピックまでにすべての避難者を帰還させたいと考え、海岸線を走る常磐線の全線開通も間近です。

しかしその陰では、著しい人権侵害が起きています。現在推進されている帰還政策は、除染をして元通りの安全な場所に戻ったからお帰りくださいというものではないのです。年間被ばく線量が、原発事故前の20倍である20ミリシーベルトを下回る地域では、被ばくを我慢して暮らせというものです。保養などの帰還後の被ばく防護策は特になく、避難解除後は、帰還しなくとも、精神的賠償や避難住宅の無償提供を打ち切られます。たちまち生活が困窮し、追い詰められて望まない帰還をする人、ホームレスになった人や自死する人も出ている状況です。避難住宅の立ち退きを迫られ、裁判に訴えられている家族もあります。国連人権理事会による人権審査で、国連加盟国4カ国が、原発事故被害者の人権状況を是正するように、日本政府に勧告しています。

原発サイトでも深刻な状況は続いています。トリチウム汚染水の1000tのタンクは800基を超えました。原子力規制委員会の更田委員長、元委員長の田中氏は、「海に流すことが唯一の解決策だ」と地元自治体を回って説得をしています。私が4歳の時に生まれて初めて見た海は、福島県いわき市の海でした。今でもその光景が目に浮かびます。世界の3大漁場と言われ、豊かな生き物たちに満ちていました。そして何より海は世界につながっています。原発事故で既に大量の放射性物質が流されたのに、更に人為的に流し、世界の海をこれ以上汚したくはありません。本来規制する側が積極的に流そうと動いていることは許しがたいことです。現在、福島の漁業者たちが必死でトリチウム汚染水の放出を止めています。どうか世界からも是非声をあげて下さい。お願い致します。

福島県民健康調査における甲状腺検査では、がんとがんの疑いが現在193人となりました。相変わらず県民健康調査検討委員会は原発事故との関連は考えにくいとの見解ですが、この数字のほかに、県民健康調査に報告されていない甲状腺がん患者がいることが昨年発覚しました。県民健康調査の甲状腺検査を受けた後に「経過観察」とされた人が、次回の県民健康調査の前にがんが発見された場合、県民健康調査の報告に反映されていないことが分かりました。その中に何人のがん発症者がいるのか調査すべきだとの声が、検討委員会の委員や市民からもあがり、ようやく県立医大が調査に乗り出すことになりましたが、調査に2年もかけるといいます。原発事故被害者に、唯一行われている健康に関する調査であるにもかかわらず、正しい結果が提供されてはいません。現在、この甲状腺検査に対し、「過剰診断」「学校での検査は人権侵害」「知らない権利がある」などの言葉を使い、縮小しようとする動きがあります。原発事故時に安定ヨウ素剤の配布を拒みさえした福島県は、責任を持って甲状腺検査を継続していくべきです。

一昨年、福島市の高校生が、廃炉作業中の福島第一原発の見学をしたとの報道があり仰天しましたが、その後、福島大学でも、授業の中に原発見学が取り入れられました。全国の高等専門学校でも、原発の廃炉のためのロボットコンテストなどが、避難指示が解除になった町で開かれました。私の住む町に建設された、福島県環境創造センターの放射能教育施設コミュタン福島には、ビジュアルやゲーム感覚で放射能について学ぶ展示がなされています。開所1年で約10万人が訪れ、子どもたちの感想文などを読んでみると、「放射能は危険なだけでなく医学や科学に役立つものであって良かった」「放射能は怖いものだと思っていたが、自然界にもあり、食べ物にも含まれていることがわかり、安心した」「みんながここで学べば福島への差別はなくなる」などが多く見られました。今も存在する放射性物質の危険を正確に認識し、それらから自分を防護することを学ぶ教育とは程遠いように感じます。

このような中で、沢山の損害賠償を求める裁判、行政に施策の誤りをただす裁判、刑事責任を問う裁判が開かれています。民事裁判では、東電や国が津波対策を怠ったことが認められた判決もあります。今年は次々と判決が出てきます。

昨年6月には、福島県民をはじめとする全国1万4千人からなる福島原発告訴団が、福島地方検察庁に刑事告訴をしたことから始まった刑事裁判の初公判がとうとう始まりました。被告人の東電の元最高幹部3人は、自分たちに責任はないと無罪を主張しましたが、検察官役の弁護士は東電の津波対策に対する不作為を証明する、多くの証拠をもって歴史的な闘いを開始しました。是非、注目をして下さい。現在、裁判長に宛てて、「厳正な判決を求める署名」を行っています。福島原発刑事訴訟支援団のHPに英語の署名サイトもありますので、ご協力をお願い致します。

東京電力福島原発刑事訴訟に「厳正な判決」を求める署名(日英仏)

今年の冬は、福島でも厳しい寒さでした。でも凍てつく土の下には、春に芽吹く植物の種が眠っています。新しい時代を夢見ることを忘れずに、今を誠実に生きていきましょう。そして世界の海がつながっているように、私たちもつながり続けましょう。

2018.3.11  福島にて  武藤類子

NEWS: Kazaguruma-Demo zum 7. Jahrestag von Fukushima

フクシマ7周年かざぐるまデモ
– 核の鎖を断ち切ろう!-

2018年3月10日13時より
ブランデンブルグ門/Brandenburger Tor-Pariser Platz, Berlin
::: 当日現地でかざぐるまを配布します:::

ブランデンブルグ門前にて13時より、今年もMad World Dance (Bodypoetことカズマ・グレン・モトムラとその仲間たち) 

Sayonara Nukes Berlinの創立メンバーの一人であるダンサー・振付師のカズマは自分をBodypoet(身体の詩人)と呼ぶ。彼は自分の身体で、踊りながら政治的、社会批判的なメッセージを表現します。彼のダンスパフォーマンスは私たちのかざぐるまデモではすでにもう「伝統」です。

毎年、違うテーマを捉えては、原子力エネルギーにまつわる複雑かつ多彩な問題点に批判的な光を投げかけます。今年も自分のダンスグループMad World Dance Projectを連れてくるBodypoetがデモでどのような身体の「詩」を見せてくれるのか、楽しみです!

 

デモ行進後の同場所でSympathetic Cardiogram、松崎大地によるライブペインティングと小野史敬によるパーカッションのパフォーマンスをそれぞれ予定しています。
松崎大地:大阪府出身。リズムとインスピレーションで筆が踊るポップスピリチュアルペインター。京都精華大学在学中からライブペインティングを始める。商店街イベント、祭、カフェ、美術館、ギャラリー、ライブハウスなど、様々な場所でパフォーマンスを行う。2012年から2014年4月まで世界一周、33ヶ国を旅しながら、各地でライブペインティグや壁画制作を行う。2016年10月より現在はドイツ、ベルリンで活動中。

小野史敬:打楽器奏者。日本の音楽大学を卒業し、現在ドイツにソロとオーケストラ音楽を学ぶため留学中。第14回PAS Italy Percussion Competition スネアドラム部門 優勝。またオリジナルの打楽器作品を発表するなど多岐に渡る活動を展開ている。


核兵器廃絶を求める国際キャンペーンICANは、
2017年にノーベル平和賞を受賞しましたが、核兵器は世界から消えたわけではありません。今でも、地球を何度も壊滅させるだけの核弾頭が世界には存在します。

脱原発の声はありながらも、2017年始めには世界31か国で計449基*の原子炉が稼働(または稼働可能状態)、2018年1月現在、ドイツではまだ7つの原子炉が稼働しています。日本にある原発54基はすべてフクシマの事故後停止されていましたが、市民の反対にもかかわらずすでに5基が再稼働しています。

原子力の民間利用と軍事利用は、同じコインの裏表であり、核の鎖でしっかり結びついています。核の鎖にはウラン採掘、研究用原子炉、ウラン濃縮工場、再処理工場という環が含まれ、最後に放射性廃棄物が残ります。いわゆる「原子力の平和利用」は、兵器として利用できる核物質を広める働きをしているのです。核兵器の廃絶と脱原発を求めるなら、この核の鎖全体を断ち切らなければいけません。

この核の鎖の環はどれも、何十万年も消えることのない放射性廃棄物やフォールアウトを生み出します。放射線は健康にとっても環境にとっても極めて危険で、何十年経った後でも、または世代を超えてがん、心血管疾患、代謝疾患、遺伝性欠陥などを起こします。そしてこの核の鎖が遺す放射性廃棄物には、適した保管方法は見つかっていません

広島・長崎の原爆投下から73年、チェルノブイリから32年、フクシマから7年が経った今、核の時代を過去のものとして葬るために、核の鎖を世界で断ち切ることが必至です!

私たちは次のことを求めます:
1.ウラン採掘を世界中で禁止する。ウランは地中に置いておくべきである。
2.核分裂性物質製造の停止。しかも兵器製造目的のいわゆるカットオフだけでなく、民間利用のための核分裂性物質製造も同様に停止する。
3.包括的核実験禁止条約を今こそ締結する*。
4.ドイツと日本は核兵器禁止条約を採択せよ。
5.すべての原発の停止と、新原発建設計画の破棄。
6.EURATOM(欧州原子力共同体*)契約を解消し、再生可能エネルギー促進契約に置き換える。

* 情報源: http://www.nuklearforum.ch/de/fakten-und-wissen/kernkraftwerke-der-welt
* 包括的核実験禁止条約はまだ未発効で、1963年の部分的核実験禁止条約しかまだ発効されていない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/部分的核実験禁止条約
https://ja.wikipedia.org/wiki/包括的核実験禁止条約
*EURATOM欧州原子力共同体は、原子力に特化した市場を創設して共同体中に原子力エネルギーを提供、かつ原子力エネルギーを開発して余剰分を非加盟国に売ることを目的とする。この共同体がEU内での原子力計画に対する融資制度を設けている。
参照: http://blog.ippnw.de/atomenergie-und-atomwaffen-unauflosbar-verbunden/

Website:
http://kazagurumademo.de/

主催:Sayonara Nukes Berlin
Anti-Atom-Berlin
Natur Freunde
共催:Greenpeace Energy
IPPNW Deutschland
Strahlentelex
Bürgerinitiative Luchow-Dannenberg
.ausgestrahlt
Rote Bete Berlin
LINKE Berlin
BUND
Coop Antikriegscafe
Kuhle Wampe Berlin
WOLF
ICAN
Deutsch-Japanische Gesellschaft Halle/Saalekreis eV