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かざぐるまワークショップ2017~世代を超えてワイワイと交流

ワークショップで作ったかざぐるま

2月25日(土)、毎年恒例となっているかざぐるまづくりのワークショップを行いました。

今年の会場は前回とは異なり、Technisch Universität Berlin(ベルリン工科大学、以下TU)でした。約50人が参加し、約420個のかざぐるまができました。このかざぐるまをデモ当日(3月11日、土)に参加者中心に配って、ブランデンブルク門まで歩きます。

今回は場所の使用に協力してくれたTUの学生Jくんとワークショップ係の彩子さんが密に連絡を取り合って、初のTUでのワークショップとなりました。

毎年恒例となってきたケーキや軽食の販売もあり、今回は会場費がかからなかったので、飲み物はカンパ制でした。

今回ケーキを提供してくれたパティシエは昨年のワークショップとデモに参加した中国人のお友達です。彼女に頼んだ時、快く引き受けてくれました。そして、ケーキを気前よくカンパしてくれました。「全部買い占めたい」という人が出てくるくらいおいしいケーキでした。

 

毎回かざぐるまにくくりつける針金で活躍している3人は今回正式に針金G3Z(はりがねじいさんズ)と命名。これからもワークショップでは針金G3Zで活躍してくれること間違いなしです。そして、後継者ができたとも聞き、今後が楽しみです。

昨年の秋にドイツに来たばかりという女性がお友達を連れて来てくれました。はじめてというのにみなさん手先が器用で頼もしい限りです。

一人で来た参加者も同じテーブルについた参加者に教えを受けながら上手に作っていました。一度、かざぐるまづくりを体験するとみんなかざぐるまマイスターになれます。次回からはみんなに教えられるようになります。

毎年参加する人も初参加の人もみんな和気あいあいと楽しい雰囲気のワークショップでした。

途中、針金が用意していたものでは不備があるなどのハプニングもありましたが、それもご愛敬。参加者同士で知恵をしぼって対応するなど、みなさんで協力してできたのはよかったです。

ケーキと軽食の売り上げから140.7ユーロのカンパもいただきました。ありがとうございます。

デモの前にかざぐるまを作りながら世代を超えて交流できるこのワークショップはこれからも大事に続けていけたらいいなと思います。

かざぐるまデモ “原発のない未来を!”11.03.2017 Gendarmenmarkt 11:30~

          

福島原発事故から6年となる今年3月11日(土)、Sayonara Nukes Berlin は、“原発のない未来を!”をテーマに「かざぐるまデモ」をします。

2月はじめ、フランスのフラマンヴィル原発で爆発事故とのニュースがありました。これは原子炉の建屋とは別の機械室で電気系統がショートして起きた事故で、念のため2基のうち1基の稼働を停止するも、放射能漏れはありませんでした。このようなニュースを聞くと正直どきりとして、ヨーロッパにもたくさんの原発があるのだという事実を目の当たりにさせられます。

ドイツは脱原発をすると政策上は決定していますが、2023年まで原発は稼働し続けます。リンゲン(核燃料製造工場)やグローナウ(ウラン濃縮工場)の原子力関係設備や研究用原子炉は運転を続けることになっています。

ヨーロッパでは運転開始後、30年以上経った原子炉が60基以上も稼働しており、中には40年以上運転しているものがいくつもあります。多くの国が老朽化した原子炉を稼働し続けるため、運転年数制限を60年まで延長しました。これではチェルノブイリやフクシマのような原発事故がいつどこで起きてもおかしくありません。

原発事故によって多くの人々が故郷を失いました。健康への危険性が高いのにもかかわらず、日本政府は子どもだましの除染をして、まだ空間線量の高い地域に住民を帰還させようとしています。そして原発事故で汚染された地域はもう安全だということにして賠償金の支払いから逃れようとしています。

原発が動いている限り、放射性廃棄物という負の遺産は増え続けるばかりです。

未来にこのような負の遺産を押し付け続けないためにも私たちはデモで以下のことを要求します。

 

・日本政府は福島帰還政策を即刻やめて賠償金の支払いを続けること

・世界中で脱原発を!自然エネルギーへの転換を!

・EURATOM(欧州原子力共同体)契約の解消*

・原子力技術の民間および軍事利用の禁止をドイツの基本法に明記すること

 

*EURATOM(欧州原子力共同体)は、原子力に特化した市場を創設して共同体中に原子力エネルギーを提供、かつ原子力エネルギーを開発して余剰分を非加盟国に売ることを目的とする。この共同体がEU内での原子力計画に対する融資制度を設けている。

 

デモの前にポスターの絵を描いたアーティスト(Daichi Matsusaki)のライブパフォーマンス、デモの後に毎年恒例となっているダンサー(Bodypoet Kazuma Glen Motomura)のライブパフォーマンスがあります。デモの前後も含めてぜひご参加ください。

私たちとかざぐるまを持って、“原発のない未来”のために一緒に歩きましょう。

詳細はこちら>> http://kazagurumademo.de/

かざぐるまワークショップ2016

ワークショップで作ったかざぐるま
ワークショップで作ったかざぐるま

 

3月5日(土)、ベルリンのカフェで「かざぐるまデモ」(3月19日、土)に使うかざぐるま作りのワークショップを開催しました。約440個のかざぐるまができました。

Sayonara Nukes Berlinに関わっているみんなの友達やFacebookで知ったという方、Protestival(http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=2748)の賛同団体のウェブサイトで情報を得たという方、2月中旬に行われたベルリナーレの会場で配布したフライヤーを見て来てくれた家族など約55人が参加しました。今回で3回目となるワークショップですが、今までで参加者が一番多かったように感じました。FacebookのSayonara Nukes Berlinのページに友達が「いいね」をしていてワークショップのことを知り、観光も兼ねてボンから来たという日本人の留学生など、今回のワークショップではじめて顔を見たという方も多かったように感じました。

今回も前年に引き継ぎ、日本人パティシエさんのケーキや軽食の販売があり、参加者は一息つきながら楽しんでいました。

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この日はなんとドリンクが無料でした!!手前のお菓子は原発をもじったお菓子。食べてなくそうということで、参加者が持って来てくれました。DSCN0835

かざぐるまを固定する針金をチョキチョキ。

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ハサミで紙を切る人、遊び部分を作る人、穴を開ける人、かざぐるまの形にして木にくくりつける人、分業して作ります。

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はじめて作る人に作り方を教え中。

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親子でかざぐるま作り。

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かざぐるま作りをちょっと休憩。子どもたちのための紙芝居も。

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ひとつ、趣向の変わったかざぐるまもできました。

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子どもコーナーでは絵本を読んだり、折紙をしたり。

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最後に車に乗せて。

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ケーキと軽食の売り上げから66,50ユーロのカンパもいただきました。ありがとうございます。

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在外選挙制度(http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=2768)の相談コーナーにも相談者が訪れていました。担当の方お疲れさまでした。

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おしどりマコ&ケンさん座談会

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

おしどりマコ&ケンさんの座談会を2月28日(日)、ベルリンのカフェ で行いました。2011年3月の福島第一原発事故後、東電の記者会見に通い、被災地や識者に積極的に取材活動を続けている芸人ジャーナリストことおしどりマコ&ケンさん。本業の夫婦漫才師ならではのボケと突っ込みで度々会場は参加者の笑い声でわきました。

おふたりは東電の記者会見に通い続けているため、今では他の記者や東電の広報担当よりも詳しい記者とのこと。今の広報担当は自ら「情報オンチ」と言っているという話には東電の無責任さにあきれてしまうばかりです。

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

マコさんは取材をしてきて気になっていることを大きく分けて3つの点にしぼって話してくれました。

①放射性廃棄物の再生利用

②小児甲状腺がん

③「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

①放射性廃棄物の再生利用についてはおしどりポータルサイトに詳しいので、そちらを見てください。

http://oshidori-makoken.com/?p=1863

環境省ホームページ

http://www.env.go.jp/press/101515.html

恥ずかしながら、このことについてわたしは今回はじめて知りました。マコさんもおっしゃっていましたが、一体何のために「除染」をしているのか、何をしたいのか理解に苦しみます。

②小児甲状腺がん

マコさんは2015年5月18日開催の第19回福島県「県民健康調査」検討委員会で出された「甲状腺検査に関する中間取りまとめ」に「こうした検査結果に関しては、我が国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。」という文章が入っており、この内容は中間取りまとめ案にはなかったため驚いたと話していました。マコさんは以前から中間取りまとめにかかわった医者たちにも取材しており、チェルノブイリ事故後、ボランティアで甲状腺がんの内視鏡手術を行ってきた清水一雄医師(甲状腺評価部会、部会長)は「原発事故による被ばくの影響は無い、と個人的には思ってはいるが、そのような先入観を持っての調査は科学的ではない。」と言いはじめてきたと紹介し、中間取りまとめが出てから委員の医師たちの雰囲気が変わってきた様子を話してくれました。

中間取りまとめについての詳細はおしどりポータルサイトを見てください。

http://oshidori-makoken.com/?p=1094

「甲状腺検査に関する中間取りまとめ」

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/115335.pdf

③「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

原告の人たちを取材してきたマコさんとケンさん。「生業を返せ、地域を返せ!」の意味は原発事故前の原発のある生活に戻せということではなく、原発ができる前の生業をなくす心配のない生活を取り戻すということであって、彼らは「原発をなくすための裁判」をしているのだと話してくれました。原告は現在約4000人。福島県の全市町村と近隣の被災した県などにいます。画期的な出来事は原告団の要望により、裁判長と裁判官が浜通りと中通りの現場検証に行くことが決定したこと。同じ被災者から「そんなにお金がほしいのか」との嫌がらせも受けていますが、本人尋問の中身を聞くと原発事故の影響によって自ら命を絶った人の家族や自分の言葉で被害を訴えられない知的障害を持った教え子たちに代わって発言する特別支援学校の先生といった人たちが原告になっており、彼らはお金のためではなく、他の誰かのために原告になっているのだとのマコさんの言葉が印象的でした。

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

http://www.nariwaisoshou.jp/

Ysukasa Yajima
Ysukasa Yajima

マコさんとケンさんが理事も務めている福島の子どもの保養施設「沖縄・球美(くみ)の里」についての紹介もありました。

球美の里のホームページ→http://www.kuminosato.com/

おふたりが球美の里で福島の子どもたちと交流していると、性のことと同列に被ばくのことが話題になる。それは彼らにとっては被ばくのことは大人には聞いてはいけないタブーとなっているということで憤りを感じるとおっしゃっていました。

世論調査では脱・反原発が半数を超えるのに、選挙になると原発を推進している自民党・公明党が勝ってしまうのはなぜなのか。ドイツに長年住んでいると歯がゆい思いがするとの参加者の質問に対して、選挙のときに100人アンケートをとったマコさんは大多数の人が選挙に行かない。選挙に行く人は「謝りながら自民党に入れるお年寄り」ということと「365日、創価学会員(=公明党)から手厚いケアを受けている人」と自らの分析結果を紹介してくれました。SEALDSの若者たちとも早い時期から関わりのあるマコさんが最後に締めくくった言葉は「自分の思ったことが自由に発言できる状況になってほしい。日本に住んでいても歯がゆいです」でした。

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

今回の座談会は約5年間原発事故関連の取材を続けているまさに専門記者からの報告で、非常にためになるお話でした。被災者に寄り添い、疑問は追及し続け、事実から裏付ける取材スタイルはトップが安倍首相とお食事をしている大手商業紙、テレビ局といった日本のマスコミの堕落ぶりも浮き彫りにされるようでした。おふたりにはこれからも芸人ジャーナリストとして発信し続けてほしいと思いました。

Tsukasa Yajima
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核のない未来へと希望をのせて「かざぐるまデモ」2015

3月7日、東京電力福島第1原発事故から4年が経つのを前にベルリンで反原発デモを行いました。
ドイツ人、日本人、韓国人、イスラエル人などベルリンに住む市民ら約700人が参加しました。
Anti-Atom-Berlin(アンチアトムベルリン)、NaturFreunde Berlin e.V(ナトゥアフロインデ)、ドイツの反原発、自然保護団体2団体との共催で行いました。

今回は「福島を忘れないで!」をテーマに、原発事故を風化させないこと、日本の原発再稼動・原発の海外輸出に反対するとともに、世界のすべての原発の早期廃炉と再生可能エネルギーへの転換を求めました。

核のない未来へとの希望をかざぐるまに象徴し、昨年に続き今年も「かざぐるまデモ」と名付けたデモ。前日まで雨が降っていましたが、見事に晴れ、かざぐるまが風を受け勢いよく回っていました。

©Tsukasa Yajima
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Puppe’n Muckeのライブ演奏がはじまりの合図となり、ブランデンブルク門前に集まった人々の注目を浴びました。

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©Tsukasa Yajima

その後、ブランデンブルク門前を舞台にSayonara Nukes Berlinから梶川ゆうさんが開会のあいさつをし、「福島の原発事故はいつでもどこでも起こりえます。放射能まみれの地球を次世代に残してはいけません」と訴えました。

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かざぐるまデモ2015 梶川ゆうさんのあいさつ全文

Kazaguruma-demo2015 Rede von Yu Kajikawa in Deutsch

参加者は東日本大震災での犠牲者と世界中で放射能の被害に遭った人々に黙とうをしました。

福島県の民謡「会津磐梯山」に合わせてかんしょ踊りのレクチャーをした後、BodyPoetとTakushi&Friendsによるかんしょ踊りのダンスパフォーマンスが行われ、「Jetzt los!」(さぁ出発)の掛け声でデモが出発しました。
かんしょ踊りとは福島県会津地方に伝わる踊りで、他の反原発アクションシーンでも踊られています。

©Tsukasa Yajima
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アンチアトムの横断幕「FUKUSHIMA HIROSHIMA NAGASAKI ATOMTOD STOPP 福島 広島 長崎 被曝死ストップ」(ママ)、女優の木内みどりさんから届いた横断幕「DON’T FORGET FUKUSHIMA」を先頭にデモは進んでいきました。

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参加者は「会津磐梯山」のリミックス曲に合わせ、踊ったり、リズムにノったりしながらベルリンの中心街をデモ行進しました。

©Tsukasa Yajima
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リミックス曲は公募し、ドイツ、フランス、イギリス、メキシコ、日本から15人のミュージシャン、DJからの応募がありました。そのうちの数曲をDJ SiSeNが演奏しました。

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ひょっとこ、おかめ、きつねのお面を被ったり、和装をしたり、法被を着たりして踊る様子は観光客や道行く人々の目を引いていました。

©Tsukasa Yajima
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最終地点Potsdamer Platz(ポツダマープラッツ)に到着後、日本で「のりこえねっと」(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)の共同代表をしている辛淑玉(シンスゴ)さんのあいさつがありました。

©Tsukasa Yajima
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辛淑玉さんのあいさつ

Anti-Atom BerlinのBernd Lisekさんが閉会のあいさつをしました。
Kazaguruma-demo2015 Rede von Bernd Lisek

©Tsukasa Yajima
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最後はPuppe’n Muckeのライブ演奏で締めくくりました。

デモに参加した保育士のカタリーナ・ヴァルケンティンさん(26)は「原発事故は健康被害や環境破壊をもたらします。原発ではなく再生可能エネルギーに転換すべき。子どもの未来のためにも原発はなくすべきです」と話していました。

わたし自身、2回目の参加となる「かざぐるまデモ」。集会が始まる前にワークショップで作ったかざぐるまを参加者や観光客に渡していると、ブランデンブルク門を見に来た日本人観光客が参加しますとかざぐるまを受け取ってくれたり、かざぐるまを受け取ったスペイン語圏の観光客が「一体何をしているの?」と聞いてきて、説明するとわたしたちの主旨に賛同してくれたりと昨年より事前にデモを知らなかった人たちが関心を寄せてくれたように感じました。ライブがあったり、音楽が流れていたという雰囲気が飛び入りのデモへの参加をしやすくしたのではないかと思います。残念ながら東京電力福島第1原発事故を知らない外国の方もおり、時間の経過とともに特に海外では関心が薄れていきがちになってしまうことですが、世界の問題として、日本のみなさんとも連帯し、続けていくことが大切だと改めて感じました。

©Tsukasa Yajima
©Tsukasa Yajima

 

ベルリン在住のドキュメンタリー映画監督アーチー・ドルダー(Archy Dolder)氏が制作してくださった日英独の字幕付きかざぐるまデモ2015年ドキュメンタリーフィルム。

CLOSED CAPTION VERSION/クローズドキャプション版

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報道先リンクまとめ

rbb(ベルリン・ブランデンブルク放送) http://www.rbb-online.de/abendschau/archiv/20150307_1930/nachrichten-eins.html

共同通信 http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015030701000946.html

NHK ニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150308/k10010007631000.html

新潟日報モア http://www.niigata-nippo.co.jp/world/world/20150307167478.html

京都新聞 http://www.kyoto-np.co.jp/international/article/20150307000153

北海道新聞 電子版 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/international/international/1-0109153-s.html

西日本新聞 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/154346

佐賀新聞Live http://www.saga-s.co.jp/news/national/10209/163948

北國新聞(富山新聞社) http://www.hokkoku.co.jp/newspack/kokusai2015030701000946.html

千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/newspack/20150307/244604

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関連リンク

明日うらしま

みどりの1kWh

小林敏明教授の「ライプツィヒの街から35 ベルリン風車デモ 2015」 – OILife オイルライフ

FromBerlin

CO-OP NEWS

ちきゅう座
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写真アルバムリンク

Thorsten Strasas

Florian Boillot

ⒸB.Sauer-Diete/bsd-photo-archiv

Uwe Hiksch

PetShop Petshop

※写真の二次使用等それぞれの掲載元にご確認いただくなどご注意ください。

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映像リンク

原発事故から4年 ドイツで反原発デモ

Kazaguruma-Demo zum 4. Jahrestag von FUKUSHIMA| am 7.3.2015 in Berlin

Anti-Atom-Berlin – PM – Politische Demonstration und Kunstevent – die Kazaguruma-Demo in Berlin

※映像の二次使用等それぞれの掲載元にご確認いただくなどご注意ください。a3372827158_16 _TY19868

2015年3月7日に脱原発を願い、ベルリンで行われたかざぐるまデモ「福島を忘れない」のために提供された14曲の会津磐梯山リミックスを無料ダウンロードアルバムとしてリリースしました。

https://sayonaranukesberlin.bandcamp.com/album/remix-for-fukushima

バラエティにとんだ新しい会津磐梯山をどうぞお楽しみください。
この場をかりて、私たちの活動に賛同の意を表し、無償で楽曲を制作・提供していただいたアーティストのみなさまへ厚く御礼申し上げます。

※著作権は楽曲提供者である各アーティストに帰属します。許可なく営利目的で使用することはご遠慮ください。

Sayonara Nukes Berlinドキュメンタリー映画、「わたしの、終わらない旅」の上映会が6月2日、Sayonara Nukes Berlinの主催で行われ、ドイツ人、日本人など約60人が参加しました。

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あいさつする坂田雅子監督

映画の概要を紹介します。

2011年の福島第一原発事故後、坂田監督は母、坂田静子さん(故人)が1976年ころから反原発運動を続けていたことの意味に気づきます。そして、兵器と原発の2面性を持つ「核」について、フランス、マーシャル諸島、カザフスタンを巡り、そこで核実験と原発によって翻弄された人々を映し出しました。

映画を見る参加者
映画を見る参加者

フランスでは、日本の使用済核燃料が2950トン処理されたラ・アーグ再処理工場やANDRA(国家放射性廃棄物管理局)周辺で放射線検査をするACRO(放射線モニターNGO)の活動を紹介します。ACROの会長は「ラ・アーグの最大の汚染源はお金だと言われている」と話します。

アメリカの核実験が1946年から58年まで67回行われたマーシャル諸島。そのうち23回はビキニ環礁で行われました。実験のためにビキニを離れなければならなくなった島民は今も帰島できないでいます。1960年後半、アメリカの原子力委員会は「ビキニは安全、帰島できる」と発表し、72年から帰島開始、「何を食べても安全」と伝えられました。その後、多くの人が亡くなり、「これ以上住むのは危険」と再び島を離れなくてはなりませんでした。

1949年から89年まで470回の核実験が行われた旧ソ連、カザフスタン・セミパラチンスク。150万人が影響を受けました。実験場跡地の東に位置するセメイ市の病院ではガンの発症率が高いこと、若い世代の免疫力が落ちていることが指摘されました。実験場跡地、1万8千平方キロメートルの4分の1は除染され、4千平方キロメートルが農地にしても安全といわれています。旧ソ連時代、核開発が行われたクルチャトフ市の市長は「わたしたちは次世代の原発を開発しつつある。原爆と原発は別物なのです。きちんと管理していれば原子力はもっとも環境に優しいのです」と語ります。

1953年、国連総会でアメリカのアイゼンハワー大統領が「原子力の平和利用」についてスピーチをしました。その後、1954年3月1日に第五福竜丸の乗組員たちが水爆ブラボーの実験で被曝しました。日本では原水爆禁止運動が盛り上がりますが、平和利用へのキャンペーンが張られていきました。第五福竜丸の乗組員だった大石又七さんは「ビキニ環礁事件が起きたとき、みんなで勉強し考えていれば日本に54基もの原発はつくられなかったのでは」と問います。フランスの元原発労働者が「それが人を殺すことを知りながら、家で原子力の電気を使うのか」と語った言葉が胸に突き刺さります。ビキニの人たちが島の美しいメロディーに合わせながら歌います。「わたしたちの島と生活は奪われた」。

1995年のもんじゅナトリウム火災事故隠しに対応して、1996年に開催された第2回原子力政策円卓会議には坂田静子さんが市民代表として出席していました。「原子力基本法、つまり国策を見直すべきではないか。国策も誤ることがあります。わたしたちの世代は身をもってこれを経験しました」。

この映画に出てくる核の被害を受けた人たちの姿を通して今の日本、フクシマが見えてきます。

「終わらない」のか「終わらせるのか」はわたしたち市民にかかっているのだと感じさせる映画でした。

上映後は坂田雅子監督への質疑応答もあり、活発な意見が交わされました。かいつまんで以下にご紹介します。

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監督に質問する参加者

-日本の現状、脱原発の現状について

監督:反原発、原発ビジネスなど立場によって言うことが異なり、一人ひとり、掘り下げないとそれぞれ考えていることが見えてこない。

-日本では原発に変わる代替エネルギーは進んでいないのか?

監督:太陽光エネルギー発電も進んでいたが、再生可能エネルギーの制度が変わり、電力会社は再生可能エネルギーの買取義務がなくなったので、高くつく再生可能エネルギーの買い取りを電力会社が避けるようになり、その発展を阻んでいる。(*買取にかかった費用は一般電気料金に上乗せしているので、結局消費者が負担している)

-なぜ、世界で60年間原発が稼動してきたのか?

監督:それこそ自分に問いかけてきたものでこの映画を撮る原動力になった。

-フランスにもドイツのように反原発運動をしている人たちがいるのか?

監督:少数だがいる。少数でもがんばっていることに意味がある。フランスでも再生可能エネルギーが発展することを願っている。

 

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*上映会の際、坂田監督へのカンパ、会場費、Sayonara Nukes Berlinの活動費のため呼びかけた
カンパ(事前、当日)は、合計337,60ユーロでした。ご協力いただいたみなさまにお礼申し上げます。
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今回上映会場となったACUD  http://www.acud.de/
*「わたしの、終わらない旅」DVD版は、amazonなどで購入することができます。

福島の高校生とのウオーキングツアー

今年の夏、日本のNPOの団体の主催で福島からドイツを訪問した高校生たちといっしょにベルリンの街を歩いてドイツがどのように環境にやさしいまちづくりをしているかを歩いて学ぶウオーキングツアーをしました。時間が経ってしまいましたが、そこで学んだことをこの場で紹介します。

ドイツ連邦議事堂のドーム型の天井はガラス張りで日光を取り入れやすくなっています。屋上にはソーラーパネルが設置されており、発電された電力を電力会社に売っているとのことでした。議事堂の地下には暖かい空気と冷たい空気をためるタンクがあり、夏は冬にためた冷たい空気を館内に送り、冬はその逆の作用をします。そうすることでなるべく電力を使わない工夫をしていることがわかります。

議事堂の屋上からは火力発電所が見えました。煙突の近くに台形状の建物があります。それは電力をつくる際に出る熱を冷却するための冷却塔です。しかし、冷却する際に出る水蒸気が空に上がりやがて雨となって地上に降りてきます。そのため上空の水蒸気が増え集中豪雨や最近の異常気象の原因になるとのことでした。

国会議事堂の屋上から見える火力発電所
国会議事堂の屋上から見える火力発電所

議事堂の屋上からはベルリンの街が一望できます。ベルリンは緑が多いなと感じていましたが、上から眺めるとあらためて緑が多いことに気づかされます。至るところに公園があり、主要道路も直線で幅があり、街路樹が茂っています。なぜ道路が広いのか、暑い空気が街にたまらないよう風通しのいいまちづくりをしているからです。なぜ緑が多いのか、木を植えることで日陰を作って空気が暖まらないようにしているからです。

ベルリン中央駅でもさまざまな工夫を知ることができました。屋根はすべてガラス張りです。これも日光を取り入れやすくするためです。そうすれば日中照明が必要なくなるので省エネできます。ドイツ鉄道(Deutsche Bahn・日本のJRにあたる)ではドイツ政府のエネルギーを再生可能エネルギーに転換する政策に呼応して2050年までにはすべての電力を再生可能エネルギーにするとの目標を出しています。ドイツ鉄道が発行しているバーンカードというものがあります。これは年に一度、一定料金を払うと、ドイツ鉄道の切符を買う際に割引が効くカードです。現在、このカードを所有する乗客の分の電力が再生可能エネルギーでまかなわれています。

ベルリン中央駅のホームで説明を聞く高校生たち
ベルリン中央駅のホームで説明を聞く高校生たち

駅には分別ゴミ箱が設置されています。紙、プラスチック、ビン、その他です。コカ・コーラ社のみがリユースするリターナブルボトルを採用しています。リターナブルボトルを使用すると工場までビンを戻さなければいけないため、コカ・コーラ社は各地に工場を分散させています。
ベルリンの街を歩いていると自転車で移動する人が多いことに気づきます。自転車専用道が整備されているため主要な道路でも比較的安全に乗車することができます。観光地でもあるベルリンでは店頭で借りるレンタサイクルも多いですが、ドイツ鉄道が運営するレンタサイクルがあります。その名も「Call a Bike」。駅前に限らず、街のあちこちで乗り捨て可能です。インターネットで登録し、携帯電話で暗証番号を聞き取り、施錠・解錠ができる便利な仕組みです。ベルリンは公共交通機関も発達していますが、気軽に自転車を使えることで二酸化炭素の排出を押さえる努力も見られると感じました。

今回のツアーではドイツ政府とベルリン、企業が脱原発と環境にやさしいくにづくりをするために実践している姿を勉強できました。日本では福島の原発事故が解決していないにもかかわらず、政府が海外に原発技術を輸出しようとするなど日本と海外の人々に対して無責任な態度を取り続けています。今回学んだドイツでの取り組みから日本でも脱原発に向けてできることを学べるのではないかと感じました。