私たちにできる10のこと

[:ja]Sayonara Nukes Berlinは、2013年以来「かざぐるまデモ」を毎年3月に行い、ベルリンから脱原発を訴えている。メンバーのひとりひとりは、前回の投稿で紹介したように、ごく普通の生活者だ。原発なしのエネルギーへの転換は、国の政策や企業の方針に左右されるが、生活者である私たちひとりひとりの声や行動がうねりとなったとき、政府や企業の方向性に影響を与えることができると思う。あらゆる分野において、市民の訴えに応える形で法律や制度が作られ社会が少しずつ変わってきた歴史を見れば、よりよい社会を形成していくために市民運動はとても大切な役割を持っていることがわかる。問題の多くは、突き詰めれば「いのち」「人権」という大きなテーマに行きつく。それがないがしろにされているとき、市民がアクションを起こすことはとても重要なことだ。

「運動する」ことは、特別のことではなく、私たちの生活の一部になるべきだろう。SNSの発達により、いろいろな形態で参加できるようになった。そして、運動に参加することによって、生きていくうえで何を大切にすべきかということを自らもっと考えるようになるし、私たちの考え方や生活のしかたも変革していく。さらに言えば、自らの選択によって生活のしかたを変えていくことも、一つの「運動」なのかもしれない。

そんなことを考えながら、原発のない未来を実現するために、私たちが具体的にどんなことができるのか、メンバーと話し合ってみた。それを「私たちにできる10のこと」としてまとめてみた。

未来のために原発とさよなら ― 私たちにできる10のこと ―

1.エネルギー問題や放射能汚染について関心を持つ
2.チェルノブイリやフクシマを忘れず、家族や友人と原発事故の教訓について会話する
3.エネルギー問題をテーマにした講演会に参加したり書籍を読んで学ぶ
4.ひとつのニュースソースを鵜呑みにしないで、自分で調べて考えてみる
5.エネルギー関係の情報をSNSで共有する
6.原発に反対するデモに参加して共に声を上げる
7.エネルギーを含めた環境問題に取り組む団体を支援する(ボランティア・寄付など)
8.電気を含むエネルギーの節約の工夫をする
9.再生可能エネルギーによる電力会社を選ぶ
10.エネルギーや環境に配慮した政策を提示している候補者に投票する

脱原発を訴えるグループとしてイベントを行うだけではなく、自分たちの日常生活ではどんなことを実践しているかメンバーに振り返ってもらった。ここで何人かのメンバーから集まった実践例を紹介する。

♦再生可能エネルギーの電力会社と契約しています。
♦感情的/扇動的/一方的な情報を見分けて精査する能力を養う努力をしています。そういった情報や精査の過程をとくに賢いわけでもない普通の市民の疑問として友人や家族の目に触れるようにしています。
♦友人と原発事故の様々な影響について直に話すようにしています。

♦再生可能エネルギーの電力を選択しています。
♦エネルギーとは何かという物理の話を議論する集まりをしていました(コロナ前)。エネルギー問題に取り組んでいる人たちでもエネルギーとは何かを知らず(例えばエネルギーの単位は何かなど)、エネルギーとは何かを説明できない場合もありました。そして原発に賛成する側でも反対する側でも間違ったことが共有されてしまったりすることがあったためです。

♦私たちの生活に密着する深刻な問題だからそれぞれの記念日はもちろん、普段からこの問題にまつわる会話を積極的にしてきた。
♦自分の余暇の範囲で、できるだけ信頼のおける専門家の話に耳を傾けるようになった。
♦政治的な発信は時に勇気のいるものだったけど、続けるうちに気づいたら思ったことを何でも言えるようになった。
♦原発に反対するデモに参加している。
♦普段からまめに電気を消して、衣類に気を付けなるべく冷暖房に頼らない工夫をしている。必要以上に家電を購入しないようになった。
♦投票は欠かしたことがないが、ただ投票へ行くだけではなく、周りの友人や家族に声をかけるようになった。
♦再生可能エネルギーによる電力の選択では、代々木公園で環境フェスティバルに参加して各社のテントでパンフレットをもらったり話を聞くなどしてより具体的な選択ができた。

♦あまりたいしたことをやってないので恥ずかしいが、しいて言えば、エネルギー問題の書籍を読んで勉強し、自分で調べて考えるようにしている。

♦わたしの個人の家の電力会社は再生エネルギーの会社にしています。
♦テレビ、ラジオの電源は切っておきます。使い終わったらコンセントから外してます。

♦確実に再生可能エネルギー100%による電力しか供給していない電力会社と契約するのはもちろんのこと、私なりのダイベストメント(投資の反対で投資から撤退すること)を実施し、原子力、化石燃料を扱う企業に出資することをはっきり拒否し、環境に優しいプロジェクトにだけ投資している銀行に口座を変えた。
♦なるべく地元で、無農薬で栽培され野菜・果物を買い、できるだけアフリカや南米から届いた野菜・果物等は買わない。
♦2番にも共通するが、外貨が儲かるからと森林を破壊し大量に水を吸い取って地下水を枯渇させていく南米のアボガド栽培で、水不足をうみ、労働者(子どもも)低賃金・悪労働条件で働かされていることから、アボガドは好きだが非買運動をして、買っていない。

♦子どもたちと原発問題について話してます(息子は興味を持って小学校で原発問題をテーマに作文執筆!)。
♦デモ用のかざぐるまづくりワークショップを小学校を借りて行った(息子のクラスメートも参加)。
♦幼稚園にデモのポスターを貼らせてもらった(保護者がかざぐるまづくりのワークショップに参加してくれたり、先生がデモに参加してくれた)。
♦語学学校のテーマで原発問題を話題にする。
♦エネルギーの節約、できるだけやってるつもりですが、電気のついてるところでまとめて作業するとか、できるだけ昼間の電力を使って調理やアイロンとかするようにしてます。

♦関連のドキュメンタリーがあったら観てみる。
♦センセーショナルなニュースであればあるほどいろんな情報を読んでみます。なるべく別の見方も知りたいので。
♦FaceBookしか使ってないですが、これは!と思ったニュースとかpetitionなどはシェアしてる。
♦毎月引き落としでWWFなどNGOに寄付してる。
♦アマゾンとかの森林を破壊したくないので、なるべく肉は食べない。食べる時はスーパーの安肉じゃなくてマルクトのブランデンブルグ周辺の畜産業者扱いの肉屋で買う。
♦野菜もなるべく遠くから来たのじゃなくて、近くの農園のをマルクトで買う。
♦最安値の会社ではなく、グリーンエネルギーの電力会社と契約してます。
♦在外投票してます。候補者の政策も比べて投票してる。
♦かざぐるまデモには友達誘って毎年参加!

福島の原発事故から10年、被災地がどう変わったかという報道はよく目にするが、私たち自身の意識や生活はどう変わったのだろう?

あなたの意識や生活にはどんな変化がありましたか?

何か新しく始めてみようと思うこと、ありますか?

 

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