原発事故の強制起訴裁判、最高裁東電元副社長2人を無罪確定

2025年3月6日、日本の最高裁は、メルトダウンを起こし、未曽有の被害、死、をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る、東電旧経営陣の責任を問う刑事裁判で地裁、高裁の判決を認め上告棄却を決定し、旧経営陣の無罪が確定することになった。

旧経営陣を告訴・告発した「福島原発告訴団」の武藤類子団長は、最高裁の上告棄却が決定されてから弁護士とともに記者会見を開いて、悔しさを語った。

武藤類子団長の発表の抜粋

地裁、高栽と全員無罪となりましたが、私たちは最高裁の裁判官としての誇りと最高裁判所という場所の正義に一縷の望みをかけてきました。

刑事告訴するための準備を含めて13年間を費やして夢中で走ってきました。振り返る間もありませんでした。事故から14年が迫る中、その直前の判断は、被害者の気持ちを踏みにじるもので、冷酷さを感じます。

3月11日を目前に控えた今日、このような判断がされたということは、原発事故の被害者を本当に踏み躙るという冷酷さを感じています。どれだけの原発被害者が落胆して憤っているかと思います。

福島原発事故は今も続いています。どれだけの被害がこの事故によって引き起こされたのか、そしてどれだけの人が人生を狂わされたのか、そして未来の世代にどれだけの負の遺産を負わせたのか、そして原発事故を起こした企業の経営者の責任を問わないということが、次の原発事故を引き起こす可能性があるということ、それを裁判所が理解してくれなかったということが何よりも悔しくてそして残念です。

私たちはこの判決も司法でこれから問うことはできませんけれども、この判決にはまるで納得していません。これからも、この事故の責任というものは色んな形で問われると思いますので、そういった活動をしていきたいというふうに思っています。